公式配信第17回
9月は確か音楽イベントのインプレで休みという話だったような気配もした。。
一方で、インプレの方は解禁時期になってからではないと投稿できないという事情もあるので、そちら次第か。
その中で9月の配信となるのだが……? 臨時スケジュールとはいったい……?
そして、例によって配信が始まる。
『皆さん、お待たせしました。アーカーシャチャンネルの管理人です』
姿を見せたのは、ショートヘアにメガネ、若干巨乳なメイド服姿の女性である。
セットの中には、扇風機が設置されているが、今は9月のはずだろう。
しかし、残暑というには熱中症もあり得るような気温になっているケースもあるので……臨時で用意したのだろうか。
『様々な時間、過去、未来、それこそ別次元……そうした様々なものに存在する時間の出来事、それらを観測するのがアーカーシャチャンネルです』
『この辺りはコピペ&テンプレになるので、ざっくりと割愛します』
管理人の注意事項、まさかの省略である。ざっくりとカットや臨時告知でキャンセルはあるが、まさかの省略だ。
小説サイトで配信活動という事自体、かなりの力技な気配もするが……そういう事だろうか?
しゃべり方も含め、いつものテンションなので気にしたら負けだろう。
『今回は、ふとした観測を見かけたのでそちらに触れます』
今回はご無沙汰ともいえる観測ネタらしい。
稀に観測のネタは見つけているようだが、内容的に公開できずにお蔵入りも多いだろう。
そんな中での観測ネタなので、珍しいものでも見つけたのかもしれない。
『皆さんは、これを見ている段階でVTuberが何なのかはご存じですよね』
『様々なジャンルに現れるVTuberですが……観測で珍しいVTuberを見つけました』
『それは、TVCM出演をメインとしたVTuberで、配信サイトを持っていないという異色のVTuberです』
『自分も動画サイトや配信サイトではなく、小説サイトで配信活動をしているので、似たような気配もしますが、ね』
彼女の口から出てきたのは、何とTVCMで活動するVTuberである。
近年はデジタルサイネージといったようなものなどを使用したVTuberの広告もあるかもしれないが、まさかのTVCMである。
企業によっては大手企業勢のVTuberを起用するTVCMもあるかもしれないが、そちらとは根本的な違いがあった。
それが、アバターをTVCMでのみ目撃できる、という点である。
SNSアカウントは持っているのだが、それは告知用のX(旧twitter)に代表されるようなアカウントで、動画サイトや配信サイトのアカウントは持たない。
CMのイメージキャラクターと似たようなものでは……と思われそうだが、A社だけでなくB社やC社も出ている引っ張りだこ状態な活動をしているというのだ。
考えてみれば、アーカーシャチャンネルも小説サイトで配信活動を行っているので、似た者同士と言えなくもないが。
『こうしたケースのVTuberも非常に珍しいですが、別の意味でも需要はあるかもしれません』
『ネックとしてはTVCMのジャンルによっては、客層の違いでVTuberよりは他の芸能人を起用した方がよいのでは……となりかねない箇所でしょう』
『VTuberの認識度合いが上がっているタイミングだからこそ、こういった形の個人勢とも違ったVTuberが誕生してもよいのでないか、とは思います』
当然ながら、難点もある。
客層がかみ合えば宣伝効果が非常に高いものになる一方で、そこをミスした場合にはダメージがあるだろう。
『VTuberといっても、それこそ様々なジャンルが出始めていて、よほどの分野でない限りは世界初の〇〇VTuberと言われなくはなっています』
『自分も小説サイトでVTuberのような配信を行っていますが、VTuber小説とは別物になってしまうので、実際に内容が伝わるかどうか……と試行錯誤を繰り返し、現在に至りますよね』
彼女としても、途中でいつものテンションとは違う話し方になる場合もある。
それでも、この配信をやっている時だけは読者に不安を与えるようなことは言いたくないのだ。
シリアスなシーンは、小説でも場合によって賛否両論なケースもあるだろう。
それを踏まえて、管理人はネガティブな配信を行うくらいなら、ある程度時間をおいて配信を行う、という形にしているようである。
そのあとは、いつも雑談となった。コメントでも【CM活動だけのVTuberって、小説で出ている可能性もあるのでは?】というものもある。
言われれば、確かにそのとおりであり、ゼロではない。
異世界転生してVTuberを始めるような作品や、異世界からやってきた人物がVTuberになる……という作品も小説だとある可能性も高い。
それを踏まえると、アーカーシャチャンネルに続くSSVTuberも……。
『皆さんも、可能であればレッツVTuber、なのですよ』
最後の台詞は元気よく、いつものワンパターンではありつつも、ポジティブを強調して配信は終わった。
今回に限って言えば、さっくりとした短時間配信であり、特に雑談はなかったと思う。
次回の配信スケジュールを見ると、予定は未定とあった。
そういえば、9月なので古戦場のシーズンか。
安易な収益化を狙っているわけではないが、今後も配信は行うようでもある。
この配信をきっかけに、アーカーシャチャンネルが話題になる事を信じて。
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