【公式切り取り】アーカーシャチャンネルの日々

公式配信第1回（後編）

『今回観測したのは、とあるエリアでの情報ですね。パワードスーツでパルクールをするという光景が話題になっているようです』

　今回の観測した情報、それはパルクールをパワードスーツで行うというものだった。

　レースゲームでもパワードスーツやロボットが走るようなものも存在しているので、これだけを見るとゲームの話題なのかと疑うだろう。

　しかし、文章VTuberは原則として一次創作、版権作品の話題でも触れようというのであれば二次創作判定で削除されかねない。

　ここが配信サイトのVTuberと違う個所、というべきか。

『実際、パルクールというとイメージ的にもアクロバティックなアクションを連想しますが、実際には違うという……』

　管理人も少し考え込むくらいに、若干言葉を選んでいるようにも見える。

　実際にパルクールというと、そこまでのアクションは要求されない。むしろ、そうした危険なアクションは認めていない傾向がある。

　パワードスーツでパルクールを行うというと、危険なアクションの部類を怪我の防止という理由でパワードスーツを装着して……と思われがちだ。

　話を聞いていく内に、実はそうではなかったと判明する。思わぬ事故を防止するという観点は間違ってはいない。

　しかし、アクロバティックなアクションの為にパワードスーツ装着型にしたわけではないのだ。むしろ、コース的な事情でパワードスーツでのパルクールが考案された、という事のようである。

『次の観測は、これも類似エリアの情報のようです。何と、まとめサイトのような炎上系ニュースなどを消去するプログラムが開発されたとか』

　まさかの話題でもあった。何と、まとめサイトや炎上系の『バズり』目的な情報のみをピンポイントに絞り込んで情報を消去するプログラムが開発されたらしい。

　しかし、あくまでもアーカーシャチャンネルで扱うのはフィクションであり、現実に同じようなプログラムが作られるのを望む声はあるが……。

『一方で、これを悪用してサーバーの停止をするようなことも可能であるという事なので、実用化には時間がかかるとの事です』

『炎上商法自体、褒められるようなことではありません。こうしたプログラムを使っての魔女狩りではない方法で炎上商法がなくなれば、その方が……とは思いますね』

　管理人の発言にも一理あった。炎上商法や『バズり』目的のつぶやき等が増えてきた令和の時代、それを踏まえるとこうしたプログラムで一掃した方が早い、と考える人物も少なくないだろう。

　しかし、技術の発展がもたらすのは光だけとは限らない。特定勢力がプログラムを改ざんし、それこそアンチ勢力一掃にプログラムを悪用することだって否定できない状況である。

　それを踏まえると、こうした技術が正しい用途で使われる事を願うばかりなのだが……実際にそうなってくれるのかは、不明と言ってもいいだろう。

『色々と観測をしている間にも、時間となってしまいました。今後も、こうした風に観測した話題を配信していきますのでよろしくお願いします』

　管理人としては、アーカーシャチャンネルの発信した情報が一部のまとめサイト勢力に悪用されないように、とは言っていたが……どうなるかは不明だろう。

　それを踏まえて、視聴者も『バズり』を安易な目的に拡散しないことを……願いたいところだ。

『皆さんも、可能であればレッツVTuber、なのですよ』

　次回の配信スケジュールを見ると、９月と若干のスケジュールの目途が立っているように見える。

　不定期配信よりは定期的配信の方が収益化という意味では、非常に大きいのかもしれない。

　一方で、収益化が出来ないとプロジェクトが終わるわけではないが、今後の配信にも影響がないとも言い切れない状態である。

　この配信をきっかけに、アーカーシャチャンネルが話題になる事を信じて。