吾輩は犬である。名前はジョン・ジョージ・エドワード・アームストロング・ムスカディ・エルゴーロード・カイマンデイ・ムッチャラパーナム・ウンチャラカンチャラ・テケレッツノパー・エルリックロイ・ラ（以下略）

ある日、異世界で1人の王が死んだ。

それは痛ましく凄惨な事件などではなく、長年闘病し病床で家臣達に看取られるなどでもなく、配下によって寝首をかかれたなどでもなく、可憐な傾国の美女によってありとあらゆるモノを吸い尽くされた上での自死などでもない。

まぁ、強いて言えば三番目が非常に近いが正解ではない。
そんなこんなで1人の王が死んだのであった。

ただ、それだけだ。
だがそれで話しが終わるハズもない。


王は死後、1匹の獣として再び生を受ける。
自分が何者であったかを覚えている為に生まれる葛藤。
そして、新たな身体の使い勝手の悪さ。

産まれたばかりの仔犬として生まれ変わった王が織りなすギャグコメディ。

これは全犬が笑い、全犬が泣き、全犬が吠えた、犬の犬による犬の為のギャグである。