吾輩は犬である。名前はジョン・ジョージ・エドワード・アームストロング・ムスカディ・エルゴーロード・カイマンデイ・ムッチャラパーナム・ウンチャラカンチャラ・テケレッツノパー・エルリックロイ・ラ(以下略)
第⑤わん! ~プロローグがやっとこさ終わるなのである~
第⑤わん! ~プロローグがやっとこさ終わるなのである~
『なんで、こんな事に……。何故、名前が「ポチ」なのだ?いつからそんな名前になったと言うのだ?!一体全体、ワケが分からんッ!!』
-・-・-・-・-・-・-
それは今から
「ドゥオレ、ソアーロソアーロヌエイムエイイウォトゥスケトゥイイエイアーエイントゥオヌエイ」(※①)
『
『今度こそ、本当に目にもの見せてくれる!』
「オスジュエイクエイアーエイヌエイ。トゥエイアーオウ?」(※②)
『何?!2度目の詠唱だと!?今度は吾輩を徹底的に
「フエインンオウグエインエイインオウ。ドゥエイムイジュエイトゥトゥエイクエイ。ブイアーイ?」(※③)
『3度目の詠唱だと?!今度は徹底的に吾輩の力を削ぐつもりか!だが、吾輩は負けん!
「ヌエインジュエイ?ブエイエイスエイン!フエイイクエイアーエイヌエイヌエイムエイイフエイドゥエイムイジュエイトゥオ?ジュエイエイヌエイヌイグエイイインジュエイ?トゥエイムエイ?」(※➃)
『4度目の詠唱……しかも、後ろにいる誰かと魔術の共詠唱……な、ワケはないな。魔術の詠唱かと思いきや、ただの
『今まで焦っておったのが、バカらしく思えてきたわ。それにただの言語だと思った途端に眠くなってきたぞ』
「トゥエイムエイフエイヌイコジュエイトゥオ?ジュエイエイフオクエイヌイフエイ……。ポクフイ?」
」(※⑤)
『ふあぁあぁ。あくびが出てしまったわ。何を言っているか分からぬ会話など、ただの催眠音波に過ぎんな』
「オオ!ソウクエイソウクエイ!ポクフイグエイイイクエイ!ジュエイエイ、オムエイイフエイ「ポクフイ」ジュエイ!!」(※➅)
と、そんな事があったのである。
『とは言え、勝手に付けられた名前などで、吾輩を縛る事は出来ぬ!吾輩には
“ポチ!
『ハイ、ゴメンナサイ、オカアサマ』
ポチは母親の頭の近くで騒いでいた為に怒られ、渋々と自分が占拠していた場所へと帰っていく。
“ポチ!兄弟に対して牙を立ててはいけませんよ!”
トボトボと歩くポチの背中に向けて母親が言っていた忠告を、その耳が聞いていたかは別として。
『解せぬ!やっぱり解せぬ!そもそも、何故、吾輩はこんな姿なのだ?』
ポチは頭を悩ませていた。そしてその悩みは一周回って、最初に戻っていった。
この頃から、ポチやその兄弟達は母乳を卒業させられた。よって食物は離乳食と呼べるモノへと変わっていた。
『な、なんなのだ?このドロドロとしたモノは?これをまさか食べろとでも言うのか?』
ポチ達兄弟は生後1ヶ月程が経った今、産まれたての頃のひ弱さは何処かへと旅立っている。言い換えればスクスクと成長していた。
足腰には力が入り動きは活発である。そして、口の中には全体的に乳歯が生え始めていた。
その為、母親は母乳をあげるのを嫌がった。いくら母親が子供達に
その代わりに
「スエイエイオムエイイトゥエイクフイ、「グオフエイン」ドゥエイツオイ!!」(※➆)
初めて目にした離乳食に対し、ポチを含め兄弟達は戸惑っていた。
ポチは生前の記憶がある為に辛うじて食物かどうかの判別が出来るが、目の前に出されたモノはお世辞にも「美味しそう」と呼べるモノでは無かった。
それは、どちらかというと
更にその場にいる兄弟達はそれを食物とは理解しておらず、食べようとしなかった。
まぁその事は当然と言えば当然であり、それはまるで食べない事が理に適っている事であるかのようだ。
即ち自然の摂理、自然の法則の如きモノと崇高な意思が話していたコトだろう。
結果……。
一人の兄弟が銀色の皿に興味本位で足を掛けた事により、悲劇が起きた。
お察しの通り「ばしゃッ」と、音を立て中身が
置かれた皿は全部で5つ。その皿のうち、1つがひっくり返った。そしてその光景を見た他の兄弟達も、「これは
その後の悲劇はご想像にお任せしたい。
寝床は直ぐさま、びちゃびちゃになっていった。
幸いな事に元から入っている量が少なかったから、そこまで水浸しと言う事はない。
それでも足元は濡れており不快感は
ポチは食べるべきか、食べざるべきかを悩んでいた。そして覚悟を決め口を皿に近付けた時、他の兄弟が皿に足を掛けたのだった。
びちゃッ!
びちゃあッ
案の定、まるでフラグが成立していたかのような出来事だった。タイミングよく足を皿に掛けられ、テコの原理よろしく中身はポチの顔面へと襲い掛かったのだから。
『うわッ!吾輩の食物が!吾輩の顔に!!取れん!取れん!』
ポチは顔に付いた離乳食を必死に前足で取ろうとするが、そこまで自由度の高くない前足では顔を拭う事は出来ない。
舌で舐めようにもそれも届かない。
それでも頑張って多少は舐め取る事が出来たが、その時!
『不味くはないな。普通に食べられる……だがッ!!味が薄過ぎる!!!!』
などと、普通に感想を覚えていた。
さて、ここまでがこの話のプロローグである。
これから先、このポチを含む兄弟達がどうなっていくのかは分からない。いや、分かってはいるが分からない事にする!
そんなこんなで、これから先のストーリーは副音声でお送り致します。←どうやって?!
いや、単純に訳を書くのがめんどいとか言わないぞ!言わないぞッ!!言わないぞーーーーーッ!!!
さて、そもそも、こんな無駄話をしているのは誰かって?それは、また後で……。
訳①:どれ、そろそろ名前を付けてやらんとな。
訳②:オスじゃからな。タロウ?
訳③:反応が無いのう。駄目じゃったか。ビリー?
訳➃:何じゃ?婆さん!
訳⑤:タマは猫じゃと?じゃあ他には……。ポチ?
訳➅:おお!そうかそうか!ポチがいいか!じゃあ、お前はポチじゃ!!
訳➆:さあお前達、「ご飯」だぞい!!
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