概要
誰でもいいから言ってくれ。必要だと。薄っぺらい言葉でいいから。
「お前には何も取り柄がない」そう両親に言われながら育ってきた『僕』。大学入学を機にアパートで1人暮らしを始めるが、『取り柄がない』故に友人・知人ができず、孤独な生活を送り続けていた。
そんなある日、僕は隣の部屋のドアに鍵がささりっぱなしになっている光景と遭遇。迷った末に置き手紙と共に鍵を郵便受けに入れた僕だったが、少しして隣には誰も住んでいなかった事を思い出す。
一方その頃、巷では連続殺人犯『殺人鬼X』による事件が話題になっていた。その事から、隣の部屋にいる者が『殺人鬼X』なのではないかと僕は疑う。だがその夜、大学から帰宅した僕を待っていたのは隣人からの予想外の手紙で……。
「他者に嫌な思いしかさせられない存在ならば、どうして僕はこの世に生まれてしまったのだろう」
「なぜ、僕は僕なのだろ
そんなある日、僕は隣の部屋のドアに鍵がささりっぱなしになっている光景と遭遇。迷った末に置き手紙と共に鍵を郵便受けに入れた僕だったが、少しして隣には誰も住んでいなかった事を思い出す。
一方その頃、巷では連続殺人犯『殺人鬼X』による事件が話題になっていた。その事から、隣の部屋にいる者が『殺人鬼X』なのではないかと僕は疑う。だがその夜、大学から帰宅した僕を待っていたのは隣人からの予想外の手紙で……。
「他者に嫌な思いしかさせられない存在ならば、どうして僕はこの世に生まれてしまったのだろう」
「なぜ、僕は僕なのだろ
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おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!浮き彫りになる孤独を、等身大の言葉で。ミステリー仕立ての文芸作品
家から一歩出れば、さまざまな人が行き交う。実家には家族だっている。それなのに、「僕」は誰の「何者」にもなれずにいる。どうしようもない孤独に押しつぶされそうなとき、ひとこと「ありがとう」と書いてよこしてくれた不気味な「隣人」。顔も知らない、近頃騒がれている殺人鬼かもしれないその人について、ある種の親近感と無関心をもって口をつぐみ続ける「僕」。そんなとき、最近行動をともにするようになった少女「山里千里」が殺害されたと、刑事に告げられる……。
どんでん返しに続くどんでん返しに息を呑みます。等身大の言葉で語られているため読みやすく、ミステリー作品としても楽しめる一作です。
文芸作品としても素晴ら…続きを読む