第5話 FF7と私



 FF7とは1997年にスクウェアより発売されたファイナルファンタジー7と言うプレイステーション用のゲームソフトです。


 いまだに人気のシリーズなのではないでしょうか。


 なぜ今回FF7の話なのかと言うと、私が初めてRPG(ロールプレイングゲーム)を知ったのがFF7だったからです。そのゲームはあまりに美しい映像と、ファンタジー要素が満載で、ゲームをやらない期間が長すぎた私には衝撃でした。


 そもそも、私はファミコン世代の人間です。スーパーマリオブラザーズをようやく手に入れ、ドンキーコングで苦戦し、グーニーズでは初めてカセットをクリアした!みたいな経歴です。


 しかし、中学校、高校時代はゲームをやることはほとんどありませんでした。弟がいましたので、マリオカートやストリートファイターを目にすることはありましたね。


 このように小学校以降は、ゲームに縛られることもなく大学生活を送ることになります。ちょうどその頃、年の離れた小学生の従弟からプレーステーションが入手困難だという話を聞きました。


 まぁ、私にはもう関係のないことと思っていたのですが、通学の都合上駅近くにある家電量販店の前をよく通ります。そんなある日のこと、「プレーステーション5台入荷」という張り紙を定員が貼るところを見たのです。


 なぜか私は、すぐさま従弟の分と自分の分、2台を買ってしまったんです!


 アルバイトもしていましたし、ある程度お金は持っていたので即決でした。と言うよりも、世の中で手に入れられないものを目の前に出されたせいなのかもしれません。


 その時に買ったソフトがFF7でした。一番人気のように宣伝されていたので買ったのだと思います。


 こんな馴れ初めで、私はプレーステーションとFF7に出会いました。


 楽しかったですね。自分が仲間と冒険している感じ。


 武器を強くして、ヒットポイント上げていく快感。


 仲間の死…。


 私は当時付き合っていた彼氏がいましたが、彼氏とのデートは早めに切り上げ、家に帰ると部屋着に着替え、すぐにゲームの世界へ入り込みました。


 まぁ、これがFF7との出会いであります。しかし、就職する頃にはプレーステーション本体を見ることもなくなり、段ボールに詰め込まれたソフトも本体も押し入れに入ったきりでした。


 私は20代後半で結婚をしましたが、プレーステーションを捨てることができず、ゲーム類が入った段ボールは引っ越すたびにボロボロになっていきます。


 しかし、家族も増え手狭になっていく家。とうとう捨てることを決心し、プレーステーションは粗雑にごみ袋に入れられました。玄関の片隅に置かれ、不燃ごみの回収を待つばかりです。


 すると、保育園から帰って来た3歳の長男が「これ何?」と言ってプレーステーションを指さしました。「これは昔のゲームだよ」と教えました。


 「やりたい、やってみたい!!」


 息子の目はキラキラです。


 そして、とうとう10年ぶりにコンセントを繋ぎパワーボタンを押しました。


 「埃まみれだし電源つかないかもよ」と、保険を掛けるように言っていたのですが、なんと無事に起動したのです。それから、毎日のように保育園から帰って来るとFFをやりました。まだ字が読めない息子は、文字を読めとせがみます。私は仕方なく音読です!


 何とも奇妙な感じもしましたが、字が読めないのだから仕方がありません。そのうちに、息子はカタカナを覚え始めました。そして、自分で読むようになったのです。


「凄い!」


 捨てなくてよかったと思った瞬間です。


 色んな意味で、FF7にはたくさんの思い出があります。初めてRPGと言うものを知り自分の世界を広げてもらいました。


 今もグレーの初期型のプレーステーションは黒いプレステ4の横に置いてあります!


 子どもたちも楽しんだ思い出を共有できる大切な宝物です。




 

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