第4話 怒りと私



 私は子どもを産むまでは穏やかな人間でした。自分から穏やかって言うもの変な話ですが、人ともめたりすることは小学生までだったと記憶しています。


 子どもが3歳くらいまでは穏やかな母親でいられたのかもしれません。


 よく、「離乳食を食べてくれない」「寝つきが悪い」などと悩むお母さんがいると思います。本当に育児は心を乱されますからね。でも私はそれでは悩みませんでした。


 赤ちゃんだから仕方ないよねぇ、って感じで夜泣きも苦になりませんでしたね。


 しかし、小学校・中学校と成長していく息子たちは当たり前のように反抗期を迎え、私の理想通りにはいきません。


 理想通りに育てるのがいいかは別として、やっぱり字は丁寧に、それなりに勉強してほしい、と欲が出てきます。


 長男はもうすぐ高校生ですが、現代の子です。タブレット・スマホは常に手を伸ばすと届く距離にあります!


 私はとうとう、昨夜久しぶりに大激怒してしまったんです。次男の言葉使いの悪さに怒り、長男の受験生としての自覚のなさを見過ごせなくなったのです。


 もうコノヤローって感じですよ!!


 結婚した頃と比べれば天使と悪魔ほど変わってしまった私。

 息子二人の成長と共に男化おとこかしてしまった私。

 怒るとチンピラのようになってしまう私。


 ダンナはこう言いました。


『昔のお母さんはそんなんじゃなかったのに』


 私だって好き好んでこうなったわけじゃない!ダンナがいない時間が多い状況では、私も男にならなきゃ息子たちと対抗できなかったのです。です!です!


 すみません。ちょっと愚痴り過ぎのエッセイですよね。


 

 いくら言っても反抗する次男。何度言っても無視をする長男。この日は言いたいことを言うだけ言って私は寝ました。


 ため息をつきつつ寝ている私に、4年生の次男は話しかけてきました。『僕でよかったら寝るまで話を聞くよ』と。


 いやいや、君たちのせいで悩んでいるのが分からないのかな?と思いましたが、次男の間の抜けた言葉に少し救われました。


 長男もお風呂から上がり、私と次男が寝ている部屋を覗き、「まだ起きてるの?」と普通に話しかけてくるのです。


 私は子ども達に怒った(叱った)後は、やはり気分は悪くなりますし、多少言い方が悪かったかなぁと反省もします。


 しかし、うちの子ども達は喉元過ぎれば熱さを忘れるとでも言いますか、暖簾のれんに腕押しと言えばいいのか、手ごたえがないのです。


 こんな生活を何年も送っているわけですが、不幸なのかと言われれば、そんなことはなく色々あるけど楽しいなぁと思えるから不思議です。


 子育てには正解はなく、悩むことがたくさんあります。でも、どんなに子ども達に煙たがられても言いたいことは言おうと思っています。


 幸か不幸か、主人は単身赴任になり子ども達の反抗期をほとんど目にしていません。もし、ダンナが家にいたら凄い修羅場が有ったかもしれません。


 そう考えると、私の更年期のようなイライラと子どもたちの反抗期。似た者同士でちょうどいいのかもしれません。


 ※一週間前にうちの金魚が卵を産みました。その赤ちゃんたちがふ化し始めました。スケスケで四ミリくらいの大きさです。


 感情の起伏は生きている証だと思うことにして、自分の人生に向き合っていきたいと思います!!

 

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