第13話 憂鬱なお弁当作りが......。



 前回、息子が高校に入学したことをエッセイに書きました。そして、登校2日目から宿泊研修に行き無事に帰って来たことを報告させて頂きます!


 テストあり、綱引きありのはちゃめちゃな2日間だったようですが、愚痴も言わないので楽しかったのだと思います。男の兄弟がいる方や、男の子のお子さんをお持ちの方は分かると思いますが、男の子は年齢が上がるにつれて口数が減ります。

(変わらずおしゃべりな子もいるみたいですけどね!)


 幼稚園の時はあんなに先生やお友達の話をしてくれたのに、今では根掘り葉掘り聞かなければ学校の情報は何も知り得ません(涙)


  そんな時は女の子がいるママ友にすぐにラインです♪


 女の子は不思議と自分のクラス以外のこともよく把握しており、クラスの子が欠席した理由や先生方の恋事情までも知っています。その話を全てを信じるわけではないのですが、やっぱり学校の話って聞きたくなるんですよね。


 高校生と言えば、9年間の義務教育が終わり新たなステージが始まり、それと共に今までお世話になった給食ともお別れになります。


 先日見たニュースでは給食がまずいという理由で半分以上も残す児童生徒がいる地域があると聞きました。幸いにも、うちの息子たちが通う学校はそこまでの不評はないようで、2人の息子は常に完食でおかわりまでしてきます。


 しかし、今でこそ長男は完食できるようになったのですが小学校入学当初はひどいものでした。


 そもそも、食べ物の匂いに敏感な子でした。ご飯が炊ける匂いと生野菜の匂いが特に苦手で、家でも嘔吐えずき、白飯を見るのもダメでした。3歳まではいつもみんなのごはん茶碗にふりかけをかけて回っていました。


 ですから、長男の幼稚園のお弁当作りは本当に大変でした。蓋を開けた瞬間に吐いてしまったり、友達のお弁当を見るのもNGでした。それでも、幼稚園の先生に励まされ1年間でお弁当はだいぶ克服できるようになりました。


 そして、小学校からは給食が始まりました。長男が特に苦手なのはカラーピーマンとレタスの匂いでした。お弁当には入れないようにしていたのですが、給食では容赦なくメニューの彩りに使われます。


 そこでまた長男は食べ物と格闘することになります。どうしても嘔吐えずいてしまうので皆と少し離れて食べたり極限まで量を減らしてもらったりと担任の先生にもかなり気を使ってもらいました。(申し訳ない、ありがたいの無限ループです)


 でもね、息子は頑張ってくれました。自分の中で折り合いをつけて苦手なものがたくさんある時は皆と離れて1人で座り、大丈夫な時はグループで給食を食べるようになったのです。


 私も学校で働いているので様々な子どもたちと出会います。金子みすゞの詩の一文「みんなちがって みんないい」のように、本当に皆違うけれどキラキラと輝くものを必ず持っています。


 長男は詳しく話はしてくれませんが、どこかの時点で給食を克服できたのだと思います。3.4年生の頃になると毎日が完食で、今だに苦手なものはたくさんありますが、でも食べられるようになりました!そこが大きな成長です。


 そして高校生になった今、幼稚園以来の毎日のお弁当作りが始まりました。長男が吐かないようにと気を使って作っていた小さなお弁当とは違います。野菜をたくさん入れても何も言いません。あんなに憂鬱だった弁当作りが楽しくて嬉しいのです。


 小さな頃は、私のせいでこんな敏感な子どもに育ててしまったのかと悩んだ時もありました。しかし、次男が産まれてみると、何でもよく食べ、育てやすい子どもでした。同じように育てているつもりでも、個性を持って生まれてくるのですからそれと向き合っていかなければなりません。


 私の子育てはまだ終わっていません。でも私だけが頑張っているのではなくて子どもたちも私の知らないところできっと努力をしているのだと思います。だから私にできることは美味しいごはんを作って待っていること。(ここで終わればかっこいいのですが)あと1つは、やっぱりもめてもいいから言いたいことは言おうと思っています!


 2人の息子には、まだまだ負けたくない私です!!




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る