第8話 金魚と私~その後~



 早く書かなくてはと思っていた話があります。


 実は金魚が卵を産んだ話を興奮気味でエッセイに書いたのですが、12匹ほどふ化した赤ちゃん金魚が全て死んでしまいました。


 原因は何だろと、毎日死んでいく赤ちゃん金魚を見ながら考えました。


 産まれたばかりの金魚はメダカの赤ちゃんのようにほぼスケスケでした。体長5ミリくらいです。


 お腹に鮭の赤ちゃんのように栄養の袋が付いています。


 2,3日ほどは、あまり動かず水槽の下の方でじっとしていました。


 お腹の栄養が詰まった袋がしぼむと、自分で餌をとって成長を始めます。まずはここがポイントのようでした。


 私はホームセンターで売っている粉状の餌を食べさせました。本来なら、ブライングシュリンプという甲殻類の乾燥卵をふ化させて与えると良いそうです。


 しかし、乾燥した卵をふ化させるのにも12~24時間の温度管理が必要だったり、素人の私には手を出せない領域でした。


 ですから、金魚の稚魚用の餌で我慢してもらいました。


 赤ちゃん金魚たちは餌も食べ、1週間くらいは元気に泳ぎ回っていました。体も7ミリくらいに、成長しました。


しかし10日を過ぎたあたりかた、水槽の底で動かなくなったり、体がくの字に曲がってしまう金魚が増えました。


 虫眼鏡で首が痛くなるほど観察したのですが、どうも奇形のようでした。


 ネットでは先天性の奇形で背骨が曲がっていたり、ひれが非対称で上手く泳げない金魚は長生きできないと書かれていました。


 もしかして…と思ったのですが、私が金魚をもらって来た時に、2匹ほど斜めに体が傾いた金魚がいました。


 長くは生きられないのじゃないかと思いながら飼っていたのですが、気が付くと他の金魚と同じように泳げるようになっていたんです。


 もしかすると、その子が親なのでないかと思います。


 そして、さらに悲しいことが起きてしましました。私が今回、初めて卵を産んだと思うようになった金魚が急に弱り始めたのです。


 初めは餌を食べなくなりました。弱った金魚を他の金魚と隔離して塩水(0・5%)に入れました。


 塩水に入れるのには訳があります。金魚の体には塩分があるのですが、浸透圧の関係で塩水に入れた方が楽に呼吸ができるそうです。


 赤ちゃん金魚は3週間を過ぎる頃には、全て死んでしまいました。


 そして、たぶん親だと思われる金魚も先週死んでしまいました。市販の薬で薬浴もさせたのですが、もう無理でした。


たぶん、ストレスから感染してしまう赤斑病だったのだと思います。初めて卵を産み体が弱っていたのに、私が気がつかなかったのが原因です。


 寝る前には「明日まで生きててね」とつぶやき、仕事に行く前にも「帰って来るまで生きててね」声をかけました。


 こんなにも、金魚で辛い思いをするなんで思ってもいませんでした。


 今回はこんな報告でした。


気にかけてくれて、メッセージをくれた方もいました。ありがとうございます。


 残された金魚を大切に育てたいと思います。


※元気だった時の赤ちゃん金魚の写真を近況ノートに載せました。よかったら見てみてください。


 

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