第16話 凄くキュンとした今日の出来事♡



 今日、私が勤めている職場で避難訓練がありました。火事の発生時刻は11時40分。発生場所は1階のボイラー室。


 朝の会でしっかりと子どもたちに伝えてあります。火事の時の合言葉は「おかしもち」です。


お……おさない!

か……かけない!

し……しゃべらない!

も……もどらない!

ち……ちかづかない!


 どれだけ予告をしていても、毎年小学校一年生は火災のベルに怯えます。ジリジリジリ~と、もの凄い音がするのです。私は講師として働いているので担任ではありません。ですから、行事の時はその都度手が足りないクラスに入ります。


 今年の一年生はどうかな?泣かないかな?ドキドキしながら一年生の反応を廊下で見ていました。すると火災のベルが鳴る5分前から腹痛を訴える子が職員室へやって来ました。もう泣いています。


 その子の性格を知っている私たちは「怖いんだな」とすぐに思いました。「先生と手を繋いで避難しよう!」と皆で不安を取り除こうとしていたのですが、もう声は届きません。消防の人を見ては泣き、校長先生が持つ非難の目印の真っ赤な旗を見ては泣くのです。


 その時です!火災のベルが鳴りました。


 その子は子ザルのように私に飛びついて来たのです。小さな体からはドキドキが伝わってきます。「じゃあ抱っこで逃げようね」私は何度も背中をさすり他の一年生と一緒に外へ逃げました。ビックリするやら可愛いやら、こんな一年生は初めてです!


 ついエッセイに書いてしまいました。


 どんなに臆病な子どもたちも卒業する頃には身長150センチの私を見下ろし、立派に卒業していきます!こんなに可愛い一面を見せてくれる子どもたちに日々感謝しています。

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