第11話 任務完了!! 子ども達の意外な反応
先週末から4泊5日で単身赴任の夫の所へ引っ越しの手伝いへ行って来ました。
夫の住む地域は山の中の
夫が暮らす住宅は一軒家の社宅ですが、築40年のおんぼろ平屋です。どれくらいおんぼろかと言うと、夏にはアリが大量に発生し、春にはワラジムシが部屋中自由に歩き回ります。(おんぼろとはとってもボロボロってことです!)
ぞっとするでしょう?
私たちが行っている間もワラジムシとの戦いでした。始めは掃除機で吸っていましたが、あちこちで発生するので最終的にはガムテープで捕ることにしました。
北海道なのでゴキブリはいませんが、お風呂もトイレも常に虫がいるのです。
きっと、家中隙間だらけで虫が外と自由に出入りできるのでしょうね。
水道も山奥なのでカルキがたくさん入った水です。蛇口の付近は石灰化したカルキが蓄積し、まるで温泉のような見た目です。
そんな社宅にて、夫は初の単身赴任生活を3年間送りました。
仕事なのですが、偉いなぁと思います。住めば都と言いますが、きっとそう言うことなのでしょう。
私も息子たちを連れて何度か泊まりに行ったことはありますが、敷布団が無いため厚手のカーペットに敷布を敷いて3人で寝ました。
夫はすごくいいマットレスを敷いたダブルベットに1人で寝ています。まぁ仕方ない…。
私は転勤族の家庭に生まれたので、小さな頃から引っ越しに慣れています。水回りの掃除は特に丁寧にやります。窓のサッシやレールの溝はヘラと雑巾を使い徹底的にピカピカにします。
荷物を詰めた段ボールはどんなに軽くても持ちやすいように縦に2本紐を巻きます。結び目は段ボールの角に来るようにし、1本引っ張ると簡単にほどけるようにしておきます。
段ボールに持ち手はついていますが、紐があった方が運びやすいようです。
最初は虫に怯えていた子ども達も、日を追うごとに強くなっていきました。小学生の次男は、ガムテープを持ち虫を常に探していました。長男は寝ている近くに虫がいても気にならなくなりました。
宿泊中の食事は夫が調理できなかった食材や、古米を炊いて食べました。古米の匂いや不味さを知らなかった子ども達は驚いたことでしょう。
そして、ようやく掃除と荷造りの目途がつき、4泊5日の手伝いは終了しました。私の軽自動車に持参した掛け布団や生ごみを積み、ようやく帰る時を迎えました。
夫は仕事を抜けて見送りに来てくれました。
「ほんとにありがとね」と窓越しに言ってくれました。私と長男はやれることは全てやった達成感でもう満足でした。
車のシートに座った瞬間、まるで湯船に浸かった時のように心の底からほっとしました。夫の家に滞在中ほっとできる場所なんて何処にもありませんでしたから。
(油断すると虫が接近しているので…。虫が苦手な方すみません。)
街灯もない山奥を40分程走ると、ようやく人口2千人ほどの小さな町に出ました。「うぁ~都会だね~」と長男はテンションが上がり、今まで感じたこともない気持ちを言葉にしました。
その後も長男は「うわっ、コンビニある!道路に電気もある!」としきりに大興奮です。
私も、数日間文明に触れなかった人間のようにワクワクが止まりませんでした。家に帰ったら虫に怯えることもなくゆっくりとお風呂に入れる!牢獄のような硬い床で寝なくてもいいんだぁ!
もう、自分の家に帰るだけなのにリゾートホテルに向かうような気持ちでした。私たちの住んでいる市はそれ程大きくはありませんが、大きな建物に明かりがついているのを見るだけでほっとしました。
家に帰った長男は自分の部屋に入るなり、自分の恵まれた環境に感動しているようでした。次男はと言うと、お父さんの家で星座を見れたことが思い出に残ったようです。
ただの引っ越しの手伝いでしたが、貴重な経験をしたように思います。田舎の暮らしが悪いわけではありません。しかし、私と子ども達が暮らす今の環境や暮らしを見つめ直すいい機会になったのではないかと思います。
ただ1つ変な癖がついてしまいました。それは、床に落ちている黒いものが虫に見えてしまうことです(笑)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます