第26話



こんにちは!ようやく始まった儀式を静かに見てるルートリアだよ!



勿体ぶるかと思いきや王子スタートでした。まぁ、光もせずに淡々と進みますからね。



むしろ、名前の読み上げのほうが長い罠。



はぁ、終った王子は暇なのか、チラチラこちらを見ています。



なんか話しかけたそうにしているが、女性に止められている。



実はこの儀式、国王と宰相が見学?に来るのだ。執事曰く、国と神殿は仲悪くないよってアピールしてるらしい。



だから、基本的に当主と子供のセットで参加でも仕事優先で奥さんに任す場合もある。



まぁ、子供だけなのはうちだけだがな!



居られても困るから放置です。よろしくお願いします。



というわけで、儀式終了。この後大人達は小規模なパーティーという名のPTA会議です。



終わって帰ろうとしたら、やっぱり話しかけられました。一応儀式終るまで我慢してやった感が酷い。



「なぁ!おまえ、おやにみはなされてるんだろ!かわいそうだから俺がホゴしてやるぞ!」



はぁ?



『執事?これはなんだ?』



ちょっと念話で執事に確認。



『王子です。魅了でやらかした王子のせいで急遽若い側妃を娶り、急遽作られたにもかかわらず、被害も大きかったので教育にまで手を回せなかったから様々な貴族に愚かにされたある意味被害者です』



なるほど?魅了怖い。




「私はアンバー伯爵家嫡男、ルートリア。礼儀作法は学びはじめたばかりですから、お見苦しい所もあるかと思いますが、お見逃しいただけると幸いです」



王子はスルーして、きっちり綺麗に一礼しました。



「どこの何方か存じませんが、アンバー家は初代より王家と契約しています。あなたの保護は必要ありません」



はい、この国は飢饉とかの被害が少ない。それはアンバー家の血筋を守ることと引き換えに精霊がもたらした恩恵だ。



精霊さんはアンバー家の魔力の味が大変好みなのだ!味の他に魂の色や匂い、その他諸々が精霊さんたちに好かれるのが愛し子になる。つまり、アンバー家には愛し子が産まれやすい。



というわけで、アンバー家は割りとアホが多くても見逃される原因でした。



はい、まぁ、そんなことわかんないから騒ぐのが子供なんですけど。



え?無視して一礼して帰りましたが何か?



父に続き王子だなんて、付き合ってられませんよ!

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