第22話
こんにちは、無事に採寸も終わり、ズボンの長さに悩むルートリアだよ!
だって、五歳だよ?わんぱく元気な短パンにするか、普通の長さのズボンにするか、それともハーフパンツか。
悩む。
「今しかない可愛さがありますから、短パンでよいのでは?」
「そうですね、大人にはできない格好を楽しめばよろしいかと」
はい、執事とカテキョの意見をきいて短パンになりました。
執事の言うとおり、短パンが似合う可愛さは今しかないのだ!
行き先は神殿なので、きらびやか過ぎず貧相過ぎず、なのです。
……………あれぇ?なんか頑張ったらゴスロリ?
手のひらサイズのシルクハットにリボンとレースで飾り付けしたのがダメだったか?
それとも、ジャケットの裾を膝裏くらいまで長めに、少し広がるように付けてみたのが原因?
ハッ!絶対領域を作り出すためのニーソと膝丈編み込みブーツ(5センチヒール)か!
…………全体的に黒で差し色が銀と青と紫なのも原因かな。
仕方ない、仕方ないんだ!だって日本人感覚だとルートリアめっちゃ可愛いんだ!可愛い子には可愛い格好させたいんだ!
よし、僕は躊躇わない!僕が流行を作るんだ!
家の紋章を封入した薄紫のガラスをカットして、銀細工の蔦バラが絡むブローチの台座にセットして、やり過ぎたのを感じたけど、僕は満足です。
「坊っちゃん、そのガラス細工…………オーダーメードで貴族を相手に売りましょう」
「当たり前だよ執事、メイドお嬢さんのとこに話を持っていってね」
うん、流行ってお金になるしね!
こういう細工も、スキル以上に精霊のお陰で簡単に作れるし!
祝福の儀式で種族バレの心配が無くなったので、これはもう御披露目の場にするしかない!と決めました。
だってほら、父の息子って同じ年齢のがもう一人居るでしょ?儀式で絶対エンカウントするでしょ?
母が来るかは知りませんが、正統な後継者として僕が目立たなきゃアホがあっちを後継者とか広めそうでしょ?
ルートリアの明るい未来のためにやらねばならないのです。
…………頑張ります。
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