第10話
「そういえば坊っちゃん、あちらの方がおめでただそうです。」
執事がさらっと、どうでも良さそうに言った。
へぇ、おめでた………
「あれ?もしかして父は種馬として放置されてる?」
「………かもでございますねぇ」
そうだよ、精霊魔法が産まれる血筋を残したいんだから、子供は多いほうがいい。貴族として正しい血筋の僕、庶子として適当な配下の下級貴族に送りこめばそれだけ精霊魔法の血筋が増えて…………
母が母で良かったです。公爵家の血筋万歳!種馬回避!ルートリアをこれからもよろしくお願いします。
まぁ、僕には天人とかいう爆弾が残ってるんですけど!ありがたくありません。
因みに執事ですが、しれっと鑑定が使えるらしく、この前にこやかに言われました。
「先祖返りって、覚醒するのご存知ですか?」
「え?」
「国民の義務として五歳で祝福の儀を行うんですが、普通はそのときに魔力回路が開放されて、そのあとから魔法を学ぶんです」
あぁ、なんか僕使えちゃってますけど?不思議ですね?
「その時に、ごく稀に姿が変化する子供が出てくるんです。非常に稀ですが、鑑定すると先祖返りの称号があり、種族も変化しているそうです………まぁ、そのほとんどが王族なわけですが」
「あはは…………僕、三歳だからよくわかんなぁーい」
「さようで」
うん、困りましたね。
拉致の気配、拉致の気配がします。ルートリアの人生、前途多難!
「まぁ、疑似聖域を作る時点で規格外。愛し子の称号もありますし、よほどの馬鹿じゃない限り害されることは無いでしょう」
執事ぃ………お前、さては身内にアホが居ることわかってて言ってるなぁ!?
地味に優秀な鬼畜系執事って、ぜんぜん僕得じゃありません。残念です。
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