第12話


肉が食べたいと言ったら、執事にナイフを渡されたルートリアだよ!




「…………」



「冗談ですよ」




お前を狩ってやろうかっ!



「うーん、坊っちゃん。無表情でナイフ構えるのはやめましょ?ほら、笑顔笑顔」




「笑顔でナイフ?」




まぁ、表情筋が仕事放棄してるんですけどね?何を言っても無表情だからメイドお嬢さんが変な風に同情してる気がする、今日この頃。




ほら、ネグレクトの後遺症的な?実はスキルなんですけどね!




誤解を解かないほうが都合がいいので何も言わないけど、確かに無表情は後々問題だ。




つまり、微笑ポーカーフェイスです。あるかいっくすまいるです。




微笑みのルートリア



「坊っちゃん、その、アリの行列を見て『矮小な生き物が頑張ってるな』みたいなことを考えてそうな微笑みはなんですか?」




「貴族的に無表情はダメかと思った。ポーカーフェイスのスキルには無表情か微笑しか選択肢がない。表情は微笑で固定」




失礼な執事です。母似の可愛い三歳児ルートリアを見てそんなこと言うなんて、目が腐っているのではぁ?




「それより、肉は?僕、お肉食べたい!」




植物性蛋白はもういいので、動物性蛋白が食べたいです。野菜ばかり食べてたら、ウサギになった気持ちになるのです。可愛い。




「わかりました、このあと獲ってきましょう」




「お願いね!」




…………とって?




あ、はい。詳しくは聞かないことにしました。肉をよろしくお願いします。

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