第16話 クラスアップ
「害獣駆除と討伐依頼では、こうも経験値が違うとは...まあ、街の外の魔物の方が強いから当たり前なんだろうけど...」
僕は冒険者としてのランクが上がったことにより、街の外での討伐依頼を受けられるようになっていた。
当然だが、害獣と魔物ではその強さが格段に違う。
「魂位が上昇すれば身体能力が上がると言っても、それは相手も同じ事。まあ、相手は魂位が固定されているから自分の魂位やステータスにさえ気を付ければ問題は無いんだけどさ。それでも、下手したら一発で致命傷に成り得るし、危険度はグッと増しているんだけどね」
魂位が設定されているのは、何もプレイヤーだけでは無い。
当然、魔物も同じように魂位が設定されているのだ。
ただ、僕達プレイヤーのように強くなって行く事は無いけれど。
魔物同士の“共喰い”が無い事が救いで、そこら辺はゲームの設定で決められている事だ。
「でも、その分、プレイヤーの強化もしやすいんだよね!!よし!これで最後のグリーンウルフだ!!」
僕は今、討伐依頼の最中。
魂位の上昇も兼ねて、平原に溢れた魔物の間引きをしているところだ。
害獣と魔物の違いは身体能力の差だけでは無く、その特性にも現れていた。
害獣の場合、その身体は大きくなっているが、現実世界の動物達とそこまで特徴の変化は無い。
だが、魔物の場合。
身体に宿す器官から特徴までもが違った存在となる。
解り易く言えば、心臓で動いているのでは無く、核と呼ばれる器官で動いていた。
この核と呼ばれるものは、魔物が死んだ際に魔力を保有する物体へと成り代わる。
所謂(いわゆる)、他のゲームなどで魔石と呼ばれるものだ。
これが生活の基盤として利用されるエネルギーであり、この世界では電力の代わりを担っていた。
まあ、電力以上にファンタジーな特徴を保有しているんだけどさ。
「魔石を入手してから、金回りが一気に楽になったのと、魂位の上昇が早くなったな!それに...これでようやく、クラスアップが出来るぞ!」
ラグナロクRagnarφkでは、種族、職業毎に魂位(LV)が設定されており、最大で10まで上げる事が出来る。
LVが10に到達すると、マスターボーナス(ステータス+○○、スキル)に、そのマスターした種族や職業の上位職に就ける。
そして今、ギルドの討伐依頼をこなして魔法使いの魂位がLV10を迎えた。
マスターボーナスがINT+20。
基本職はマスターしてもステータスが加算されるくらいの能力しか無い。
「えぇーと、メニュー表から選ぶんだったよね...」
メニュー表からステータス画面を開く。
『ルシフェル』
称号:無し
種族:天使LV5
職業:魔法使いLV10
HP
518/518
MP
613/613
STR 91
VIT 72
AGI 79
INT 150
DEX 67
LUK 46
[スキル]
短剣技LV3 格闘技LV3 杖技LV2 弓技LV4
[魔法]
火属性魔法LV5 水属性魔法LV5 土属性魔法LV5 風属性魔法LV4
[固有スキル]
浮遊
そこから、職業の魔法使いをクリックする。
「魔法使いを選択して...魔法使いからは、魔道士にクラスアップが出来るのか」
今のところ、魔法使いから派生するのは魔導士だけだった。
剣士を覚えていたら、魔剣士。
武闘家を覚えていたら、魔闘士。
マスター職業の組み合わせでもクラスアップの派生が変わるのが特徴だ。
「クラスアップすると、一体どうなるんだろう?」
クラスアップした時自身にどういう変化が起きるのか解からない。
だが、それが楽しみである。
「魔導士をクリック...と」
魔導士を選択しクラスアップする。
身体全身が光に包まれると魂に向かって光が収束して行く。
ただ、一瞬の出来事で実感をしなかった。
「あれ!?もう終わったの?」
特に、身体に変化という変化は感じられなかった。
不思議に思い、ステータスを慌てて確認する。
『ルシフェル』
称号:無し
種族:天使LV5
職業:魔法使いLV10 魔導士LV1(New)
HP
518/518
MP
613/613
STR 91
VIT 72
AGI 79
INT 150
DEX 67
LUK 46
[スキル]
短剣技LV5 格闘技LV5 杖技LV4 弓技LV6
[魔法]
火属性魔法LV5 水属性魔法LV5 土属性魔法LV4 風属性魔法LV4 黒属性魔法LV1(New)
[固有スキル]
浮遊
すると、職業の欄にしっかりと魔導士が刻まれていた。
「おお!魔導士が増えてる!」
思っていたより、すんなりとクラスアップが終わり少し拍子抜けだ。
まあ、職業が変わっただけだから、こんなものなのかな?
種族進化(レースエヴォリューション)する時は今とは違う?
「まあ、よく考えれば、転職しただけだもんね...うん。次はレースエヴォリューションを目指そう!」
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