第13話 ランク昇格・拠点拡張

「ランク昇格、おめでとうございます!」


 冒険者ギルドの職員が、僕に満面の笑みで祝福をしてくれた。

 依頼を達成する事数回。

 僕の冒険者ランクが昇格したのだ。

 冒険者カードも色が変更されており、白色から緑色へと変化していた。

 だが、闇雲に依頼を達成しても、自動で冒険者ランクが昇格する訳では無い。

 昇格する為には、依頼達成の条件指定があるのだ。

 ランクGからランクFに昇格する為の条件は、討伐依頼を五回、清掃依頼と配達依頼を合わせて五回達成する必要がある。


「ランクGから、ランクFに昇格でございます。これで受けられる依頼も、討伐依頼、清掃依頼、配達依頼に加えて、採集依頼が追加されました」


 ランクGは、冒険者として最低ランク。

 受けられる依頼も限定されていて、簡単な雑務程度の依頼だ。

 討伐依頼に関しても、魔物と戦うのでは無く“害獣”の討伐。

 ファンタジー世界の影響で通常よりも肥大化はしているが、一般人でも十分倒す事が出来る害獣だ。

 清掃依頼や、配達依頼は、子供でも出来る簡単な依頼となっている。


「よし!これでようやく、まともな依頼が受けられるぞ!」


 ランクFに昇格する事で、ようやく冒険者らしい依頼を受ける事が出来るのだ。

 ランクGの場合だと街の中の依頼に限定されるが、ランクFからは街の外が含まれる。

 討伐依頼も、害獣では無くなり、魔物が追加される。

 配達、清掃はそこまで変わらないが、採集依頼が追加された事で、薬草、毒消し草などの薬採集系から、魔物の皮、牙、爪などの素材採集系と追加される。


「どうしようかな?早速、依頼を受けてみようかな?」


 ランクFの依頼が、どういうものがあるのか確認しようと迷っていた所、そう言えば依頼を達成する毎に拠点ポイントを入手していた事に気付く。


「そう言えば、拠点ポイントがあったな。...一度ホーム拠点に戻るか」


 冒険者ギルドからホーム拠点へと戻る。

 ホーム拠点は、原始の街「プリモシウィタス」から10分程歩いた距離にある。

 場所は、草原のど真ん中にあり、周囲には草木が広がっている。

 設定上だと、ホーム拠点は異次元に繋がっているので、周囲には見えていないらしい。

 草原に家が一つだけあるのは、中々シュールな絵面だよ。


 そして、そのホーム拠点には拡張機能がある。

 階層の増築。

 施設の設置、強化。

 配置変更。

 これらは、拠点ポイントを使用する事で拡張が出来るのだ。

 拠点ポイントは、ギルドの依頼を達成する時、ランクの上昇時、ストーリー初クリア時に入手出来る。


「ホーム拠点到着。ただいま!」


 ホーム拠点に戻り、家の中に入ると直ぐリビングだ。

 リビングにはアルヴィトルが待機しており、僕を歓迎してくれる。


「ルシフェル様。おかえりなさいませ」


 アルヴィトルが深々と頭を下げた。

 まだ無表情で言葉にも抑揚が無いが、お家に人が居て歓迎してくれる事はとても嬉しい。

 なんだか、自然と笑顔になるよね。

 戻って早速リビングに置いてある端末を弄る。

 端末は拠点コアと呼ばれる物で、魔力を凝縮させたエネルギーをクリスタルに閉じ込めている。


「拡張の一覧はっ...と」


 拠点コアに触れると、空中にディスプレイが映し出された。

 拠点拡張の項目一覧が表示される。


 ・増築     400P

 ※増築する毎に必要Pが変動。


 ・施設設置   200P


 ・施設強化    10P

 ※強化する毎に必要Pが変動。


 項目を選択すると、更に分類された項目が出て来る。


 ・増築

  ・二階    400P

  ・三階  1,000P

  ※二階増築後のみ選択可。

  ・地下    400P


 ・施設設置

  ・鍛冶場   200P

  ・調合室   200P

  ・作成室   200P

  ・客室    100P

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

  ・飼育小屋  200P

  ・車庫    100P


 ・施設強化

  ・リビング   10P

  ※(部屋の広さ)強化毎に必要P変動。

  ・書斎     10P

  ※(追加機能)強化毎に必要P変動。

  ・浴室     10P

  ※(効果強化)強化毎に必要P変動。

  ・アイテム倉庫 10P

  ※(最大容量)強化毎に必要P変動。


「項目が沢山あるな...ポイントも限られてるし...」


 今現在、保持している拠点ポイントは、全部で200P。

 冒険者ギルドで、Gランクの依頼を達成時に入手出来るポイントが、一回に付き10P。

 内訳が、依頼を達成した回数が10回の100Pと、ランク昇格時のボーナス100Pだ。


「ポイント内で拡張が出来て、今必要な物を考えると...アイテム倉庫の拡張位かな」


 今現在、アイテム倉庫の容量は50種類まで、上限が10個まで保存出来る。

 後々、必要になって来る素材採集なども考えれば、この容量では全然足りなくなるだろう。


「じゃあ、施設強化のアイテム倉庫を選択してと」


 項目から、枝分かれして分類が広がる。

 アイテム倉庫を選択すると。


 ・施設強化

  ・アイテム倉庫 

  ※(最大容量)強化毎に必要P変動。

   ・『50種類 上限20個』10P


 ※此処から下は半透明で、選択が出来無いようになっている。


    ・『100種類 上限30個』20P

     ・『200種類 上限40個』40P

      ・『300種類 上限50個』80P

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

       ・『容量無制限』5,120P


「全部で10段階あるのか...。最終段階に上げる為の必要ポイント凄いな!?」


 思わず苦笑してしまう。

 ランクを上げて行けば、自ずと入手出来るポイントも増えて行くのだろうが、全部の拡張をするとなれば、どれ位のポインが必要になるのか想像出来無い。


「先は長いな...取り敢えず、アイテム倉庫は出来るだけ拡張しておこう」


 200Pの内、150Pを使用して四段階まで拡張をする。

 これで、アイテム倉庫は300種類の上限が50個まで保存が出来るようになった。

 残りPは50P。

 ランクFからは一回の依頼で20P入手出来るみたいだ。

 今後は、魂位を上げる為、拠点を強化する為にも、依頼請け負いを毎日の日課に加える。


「よし!拠点拡張の為にも、毎日依頼を出来るだけ、こなして行くぞ!!」

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