第12話

「ギンコさん。おめでとうございます!Cランク昇格試験へ参加しますか?」


え!?Cランク?後ろを振り返るとグレンがニヤニヤしている。


・・・やられた。


なんだか討伐する敵が多いなとは思っていたけれど。そんなに急いでランクを上げたい訳では無かったのに。今日は気持ち的に疲れたし、もういいかな。


「明日、受ける。今日、帰る」


 私は受付で報酬を受け取り、本日の良心的価格の宿をギルドで教えてもらい宿に向かう。


「じゃ。」


宿に入り、グレンと別々の部屋を取ろうとすると、


「お客様、すみません。今用意出来る部屋は1部屋しかなくて。」


「大丈夫です。俺と彼女は一つの部屋で。」


「ありがとうございます。」


えーーー。ゴロゴロ出来ないじゃん。一応ね、曲がりなりにもね、私、未婚の女なんだけど?


 案内された部屋は広めでベッドが2つあった。清潔なベッドはやはり有り難い。早速グレンと部屋の半分に分けて自分のスペースに結界を張る。


「ここから入る。グレン、コロス!!」


「OK!分かった。分かった。心配すんなって」


私とグレンは部屋の端に荷物を置いて寛ぐ。


 受付が言っていたが、この宿では風呂があるらしい。久々の風呂だ。テンションが上がる。グレンを部屋に残して私はさっさと風呂場へ向かう。おぉ、広い。私はテンション上げ上げで身体を洗い、湯船に浸かる。


あーやっぱりいいね。疲れが取れる。


清浄魔法とは気分が違うよね。


 濡れた髪を部屋で乾かすか。部屋に入るとグレンは居なかった。グレンも風呂かな?ちょうどいい。


部屋着に着替え、魔法で髪を乾かしているとグレンが戻ってきた。グレンもどうやら風呂に入っていたようだ。


「ギンコ?」


「ん、なんだ?」


「あ、いや、何でもないんだが」


「?」


髪も乾いたし、ベッドへダイブ。


今日は誰がなんと言おうと寝ます。

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