第14話
翌昼、隣のグレンに声を掛けられるまで寝ていた。久々のベッドの感触をもっと楽しみたいのに。
泣く泣くベッドと別れ、グレンに引き摺られるようにギルドへ到着。Cランク昇格試験を受けさせられる。待っていた試験官はギルド長だった。
聞いた話ではギルド長はこの世界でも珍しい召喚魔法を使える人なのだとか。
ギルド長は早速ガーゴイルを召喚する。
「こいつを倒せれば合格だ」
うーんと、ガーゴイルはファイアボールを使って攻撃してくるんだっけか。ギルド長の合図と共にガーゴイルはケケケと声と共に向かってきた。
「アイス!」
ガーゴイルの羽を凍りつかせる。ガーゴイルは地面へと倒れ込んだ。よし、今だ!
「アイスランス!」
動きの止まったガーゴイルに素早く氷の槍で貫く。ガーゴイルはあっという間に光となり、消え去った。
「おめでとう!合格だ」
やった。これでCランクになった。案外Cランクまでは楽なんだね。
受付に呼ばれてドッグタグを渡す。受付の人は魔道具らしき物でドッグタグにランクの書き換えをしている。
「おめでとうございます。ギンコさんは今からCランクとなります。討伐依頼も受けれる物が増えますのであっちのボードをご覧下さい。」
さて、ランクも上がったし、今日は宿に帰るわ。グレンは特に何も言わないが何故か保護者のように付いてきていた。
宿に戻ってから宿の女将さんに本日の空室があるか聞いてみると今日は2部屋使えるようなので、グレンと別々の部屋にしてもらった。
当たり前よね?
グレンも特に反対する事は無かったのであっさり2部屋になる。
私は新しい部屋に移動し、ゴロゴロ開始。ベッドの上で上級魔法の勉強も忘れないわ。上級魔法の最後の方に書いてあった【ヒール】【プロテクション】【解毒】【解呪】【エリアヒール】等の聖女が使う魔法が書いてあった。
とりあえず、私は聖女として呼び出されているのだから使えるはず。覚えてみると、覚える事が出来た。やはり使えるらしい。
だが、これは極力使わない方が良いね。さて、明日は討伐に出てお金を稼いでから次の街に移動するかな。
翌日、ギルドへ足を運び、討伐依頼を見る。ふむ。ここでもホーンは人気だわ。ホーン20頭の討伐依頼に決定。街の南側に繁殖ね。
いたいた!結構な数がいるわ。20匹だと群れの半分って所ね。半分の群れに不透明な結界を張る。不透明な結界を張るのも練習したおかげよ。結界は色々と条件付けが出来るみたいね。ほぼイメージで用途が変わるって素敵。ビバ⭐︎魔法!
そんな事はさて置き、結界外のホーンをひたすら【ウィンドカッター】で首を落としていく。大分精度が上がったと思う。【クリーン】を使い、後は20匹を魔法で浮かせて持ち帰る。
おっと、結界も消し忘れずに。残りの群れが気付く前にトンズラよ!
「ギンコ様、討伐依頼完了です。ホーン20頭の買い取りも併せて25万ギルになります」
前回より低めの買い取りか。詳しく聞くと、やはり街ではホーン肉を消費する人数が多いので買い取りも高くなるらしい。村では人口も少ないし仕方がないわよね。
一つ賢くなったわ。でも20万あれば余裕で次の街に行ける。帰り道にポーションと食糧品を買う。宿に戻ると何故かグレンが怒っていた。
「俺はパートナーだろ?一言も言わないで何処に行っていたんだ?」
「いつパートナーになった?」
「ぐっ。」
でもまぁ、グレンには色々と教えて貰ったし、お世話にはなったね。お礼を言っておかないと人としてアレよね。
「明日、村出る。グレン、今までありがとう。じゃ」
「いやいや、俺はこのヘルマン国の首都ローゼンに用事があるんだ。一緒に着いてきてくれよ。ギンコの事も、もっと知りたいしさ」
「私の事?知らなくていい」
「明日は村を出て何処へ行くんだ?」
「サーロ」
「じゃぁ少しローゼンに寄ってそのままサーロに向かえばいい。ローゼンで俺んち泊まればいいし」
「分かった。ローゼンまでは一緒に行く」
急ぐ当ても無いし、行く当ては決まっていないからいいかな。
「ありがとうな。じゃぁ、明日部屋に呼びに行くわ」
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