第31話
気がつけば何処をどう走ってきたのかも分からない。
辺りはもう真っ暗。
今はモンスターに騒がれても面倒だ。【浄化】を周辺にかけ、モンスターが来ないようにしてからテントを出し、結界を張る。
もっと離れないと。
テントの中に入るとそのまま倒れ込むように眠りについた。目が覚めると日が高くなっていた。食欲はない。
もっと離れないと。
じゃないと捕まえにくる。
その思いで何日も歩き続ける。もう、だめだ、動けない。いつの間にかうずくまって気を失っていたみたい。
少し先に水の音がする。私は引き寄せられるように歩いて行くと、森が開け、そこには池があった。
その池は陽の光を反射したように光輝いていた。なんと美しいのだろう。無我夢中で池に入り、手で水をすくって口にする。
すると身体中が光り輝いたと同時にボロボロだった心も身体も染み渡るように癒されていく。
もしかして、ここは神の癒しの場ではないだろうか。ルイスがどこかに存在しているが、誰にも詳しい場所は分からないと話していた事を思い出す。
地図に載らない場所、誰も来ない。
私はここで一人で生きていこう。
誰もいないこの場所で。
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