第27話
さて、20階に到着しました。いましたいましたボーンドラゴン。
こちらに気づくとすぐに火を吹いてきた。私は氷の盾を出し、火を防いでいる間にルシアンが斬りかかる。
次に私は【アイス】でドラゴンの足を氷漬けにして動きを鈍らせる。ルシアンがドラゴンの首を切り落とそうと駆け出したその時、ドラゴンの尻尾がルシアンを叩き落とそうとしている。
とっさに私はルシアンの前に出てルシアンへの攻撃を防ぐ。
あっ、
思ったよりも衝撃が強く、私はそのまま吹っ飛ばされて壁に激突してしまった。ルシアンはチャンスを見逃す事なくそのままドラゴンの首を切り落とし、倒した。
「オリーブ!無事か!?」
「私は大丈夫。ローブが。」
「良かった。ローブだけで。心配したんだぞ。」
私自身は結界を纏っていたため、無傷だったが、お気に入りのローブが千切れた。
「お気に入りの、ローブ」
ショックがデカい。ルシアンはじっと私を見ている。
「・・・オリーブ。お前はローブを被っておいた方がいいな」
「どういう意味だ?」
意味がよくわからないな。
ボーンドラゴンは骨が消え始め、代わりにドラゴンハートと竜の涙が素材として落ちてきた。
「凄いな!ドラゴンハートだ。凄く珍しいんだぞ?俺達幸運の持ち主だな!」
ルシアンはとても喜んでる。ここで発揮されたのね幸運。
「人もいない。もう一度戦いたい」
「ああ。いいぞ。少し休憩だな」
古いローブに着替えようかと思ったが、またドラゴンに破られては困るので、ローブ無しで戦うわ。
「オリーブ、ローブ無しで生活した事あるのか?」
「何故?ほぼローブだが?」
「お前程の美人ならいくらでも嫁の貰い手があっただろう?」
「いや?変な貴族に絡まれたり、国から追い出された位だが」
「ぶっ」
「汚い」
「そこ、詳しく聞きたい」
「またな。ドラゴン、湧いた」
さっきと同じ要領でドラゴンを倒していく。今度は少し、剣も使ってみたが魔法の方が自分には合っていると思う。
素材は魔石(大)と竜の涙だった。相変わらず鑑定魔法は名前しか出さないね。竜の涙は何に使うんだ?
転移陣前で少し休憩してから21階へと降りてみた。
21階では空のフロアらしく、魔鳥類が飛んでいる。私達を見つけて一気に急降下し始めた。ルシアンは剣に炎を纏わせ、一気に斬りかかる。
私も【ファイアボール】で打ち落としていく。魔鳥達は魔石(小)とガーネットをドロップ出来た。50個程集まったのでまた21階で休憩。今日はここまでかな。
「今日の分。狩りおしまい」
「そうだな。テント出すか」
ルシアンと私のテントに結界を張り、食事の準備をする。今日はサーラータン風の酸味のあるスープにしてみた。少しだが、魔力も注いでみる。
ドキドキしながらルシアンにパンとスープを渡す。
「オリーブは本当に料理上手だな。美味い」
「ルシアン、これ傷に塗ってみるといい」自作の軟膏を渡す。
「こんな擦り傷気にしなくていいのに。何から何までありがとうな」
早速、ルシアンは塗っている。素直な人だ。
「んで、さっきの話なんだが、貴族に絡まれたり、国から追い出されたりするんだ?」
「モンスターに襲われていた冒険者を助けた。貴族だった。食事を奢って貰った。屋敷に案内された。その冒険者が母の前で私と結婚すると言った。
母は平民は汚い。私、追い出された。
それから街を移り、敵を討伐。ランク上げをしていた。
Aランク冒険者に声をかけられた。どうやら王子だった。王宮、連れて行かれた。妃になってほしいと言われた。だけど、宰相ぽいおじさん、王子には婚約者がいる。
お前、邪魔。国を出て行けと追い出された。冒険者として再出発。今ココ」
「・・・大変だったんだな。冒険者になる前は何をしていたんだ?」
「それは秘密」
「そうか。俺はオリーブの事を心配してる。また話したくなったら話してくれ」
食事を食べ終え、【クリーン】を私とルシアンにかける。食器も一度で綺麗になるから手間がなくていいよね。いつも思う。
「おやすみ」
テントに入って寛ぐ。今日も着実にお金貯まったな。明日にも期待。
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