第5話

 宿に籠る事2日目にしてようやくファイヤーやウォーター、アイス、サンダー等の初級は理解できた。試しにアイスを唱えるとカランと1個作る事が出来た!感動だわ!24年の人生で初魔法よ!


 おばあちゃんが勧めてくれた生活魔法には灯り魔法のライトや物を浮かせるフライ。身体や物を清浄する魔法のクリーン。髪や目の色を変える魔法カラーチェンジ。使える物が沢山あった。

字も段々と読めるようになってきて本を読むのも楽しくなってきたわ。


 宿に籠もって3日目。ようやく生活魔法の髪と目の色を変える事が出来たので、ローブに着替えて外に出る。黒目に黒髪では目立ち過ぎるもの。


さて、外に出た理由はと言うと、国を出るためにしなくちゃいけない事の一つ。ギルドへ行って身分証を発行してもらう事。賑やかな市場を通り抜けて目的地のギルドへ入った。


 ギルドの中は剣士や大楯を持った人や魔法使いの恰好をした人が多く賑わっていた。


これぞ異世界つて感じ!


私はギルドの雰囲気に感動して動けずにいると、受付のお姉さんが声を掛けてくれた。


「ギルド会員さんですか?」


「初めての登録。よく分からない」


「まず、ギルドカードを作成するためにこちらに手を触れて下さい」


木箱のような物に触れる。


「お名前は?」


「ギンコ」


 木箱の引き出しからドッグタグのような物が出てきた。どういう仕組みなの!?

私は不思議そうに覗いていたが、受付のお姉さんは気にする事なく出てきたドッグタグに名前を刻印する。


「これでギルドカードの登録は終わりました。ギルドの説明を受けますか?」


「お願い」


「まず、このタグは普段から身に着けて下さい。身分証となり、国から国へ移動する際の通行証代わりとなり、ギルドのランク確認、お金も預けたり、引き出したりできます。

現在受けている依頼も確認出来るようになっています。タグ自体は個人登録で行われるため、他人が使用する事は出来ません。


 次にギルドについて。SランクからFランクまでのランクが存在します。初めての方はFランクから始まり、Sランクを目指していって下さいね。

 ランクを上げるにはあそこのボードに張り出されている依頼を完遂させるとポイントが貯まり、一定数貯まるとギルド員の審査によりランクアップします。


 当ギルドはSランクまでの審査が出来ますが、場所により審査員が居ない場所もあるので注意して下さい。

 Sランクの冒険者は国の特別要請には強制参加となります。後、依頼中の敵を討伐した際はこのタグに登録されますので報告はタグでやりとりします。


 また、倒した敵の素材はギルドで買い取りしています。因みにFランクの依頼はスライム5匹討伐と薬草10個採取と街の清掃をするとEランクとなります」


「説明ありがと。早速、Fランクの依頼を3つ、受ける。後、持っているお金を全部預ける」


お金を受付のお姉さんに差し出す。


 まず、今日はスライムと薬草の採取をするかな。受付のお姉さんに見本の薬草を見せてもらい、街の外に向かう。街を出てすぐの森で採れるらしい。お姉さんの話では子ども達の小遣い稼ぎによく使われる依頼なのだとか。街の外に出ようと門番さんから声が掛かる。


「見ない顔だな。名前は?」


「ギンコ。ギルドのランク上げのため、外でる」


「そうか。この門は17 時には締めるから気をつけるんだぞ」


「分かった」


 街を出て少し歩くと道脇にいました!スライム。練習がてらにやりますか。

まずは剣で切ってみる。うん。子どもでも依頼達成出来るくらいの物だしね。問題無く倒せた。


次は魔法を使って倒す。問題無いね。


薬草を採取しながら規定の討伐数を消化する。簡単に終了。スライムだったせいか気持ち悪い!という感じもなく良かった。


初心者はラノベでも異世界現実でもスライムから討伐するのがセオリーらしいけれど、合ってると思う。初めから血塗れになるのはちょっと怖いもの。


 早速ギルドに戻って報告。最後の清掃ね。これは決められた区間をきっちり清掃することみたい。私が指定された区間は市場から1つ横の通り。露店が多く、ポイ捨てが多発するのだとか。


面倒だし、クリーンで綺麗にするか。クリーン魔法を何回も唱えながら指定区間を歩く。クリーン魔法で消えたゴミ達は一体何処へいくのか謎。


さて、完了だわ。素早く終わったし、楽な仕事だったわ。ギルドに帰り報告をする。


「おめでとうございます。Eランクとなりました。Eランクからは魔物討伐クエストも出てきますので、パーティを組みたい方はあちらの酒場で直接声をかけるか、ボードにて募集して下さいね」


「了解した」


 今日はこの辺で宿に帰って明日から討伐に出かけるかな。戻ってからはひたすら魔法書の解読作業に入る。


一つでも多くの魔法を使いたいしね。

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