第20話

 よし、物を買い揃えて出発してみる。ダンジョンを保有する国の首都だけあって人も多いし、冒険者達用の店も多い。あった!魔法本屋を見つけた。聞いた話ではありとあらゆる魔法の本が置いてあるそうな。


私は早速、人気の鑑定魔法本を手に入れた。ようやくだわ鑑定魔法。


あとは薬屋さんに入って、ポーションや解毒剤など必要な薬も多目に買っていく。初ダンジョン!備えあれば憂なし。


そして、ついに、フッカフカの長クッションを買った!これでゴツゴツ地面ともおさらばよ!流石王都。ようやく気にいるテントグッズを見つけた!


 準備もしっかりしたし、いざダンジョンへ!街を出る所から迷わないように案内板が所々設置されている。1人ってこういう時に少し心細い。けれど、心配するほどでは無かったみたい。ダンジョン前では多くの冒険者が居た。即席のパーティーをここで組む人もいるようだ。


私はダンジョン入り口の受付に話しかける。


「入場料は20万ギルになります」


た、高い。まじかー。元を取るまで帰らないわ。


「元を取るまで粘る方がいますが、身の危険を感じたら即撤退をお願いします。10階ごとにダンジョン入り口へ帰る事が出来る転移陣がありますので、上手に使用してくださいね」


バレてた。まぁ、初めてだし、様子見で入ってみるかな。


 中に入ってみると初期ゲームに出てくるようなダンジョンのイメージに近いかな?エンカウントで敵が出てくる訳では無いんだけどね。


 1階は色取り取りのスライム。アイスショットで倒していくが、アイテムはほとんど落とさない。やはり1階はうま味は無さそうよね。スライムを無視してサクッと2階に行くと、ゴブリン。これも微妙だわ。ゴブリンも無視でいいわね。


3階にはオークが居たわ。肉!【ウイングカッター】で敵を半分こにしていく。野生ではないから査定アップの為の狩り方をしない分、楽に倒せる。野生は倒した分肉は手に入るけれど、ダンジョンでは違うようだ。そして肉も2、3キロ位の塊の肉。処理してあってなんて冒険者思いなんだ!落とす肉の部位は選べないみたいだけれど。


それとたまに小指の先程の小さなルビーを落とす。やったわ!初ルビー。野外で魔物を倒してもルビーは持って無いよね?このダンジョンだけなのか、実は体内で生産していて私が気づかなかっただけなのか・・・?


 4階に行くとオーガの群れが居た。群れで襲ってきたので【エリアカッター】で殲滅してみた。中々いけるね。凄い!自分を褒めてみる。範囲魔法も充分使えるようになってきた。


オーガは武器や角を落としてくれたわ。この辺はまだ楽勝なんだね。5階に進むとオーガの群れの中にオーガキングやオーガビショップが居た。また、同じく【エリアカッター】で討伐すると、オーガキングから鉱物が出てきた。ビショップは杖を落とした。ダンジョンだから密集して範囲魔法は効率良く狩れる。野外では単体も多くて群れでの攻撃は少ないから効率が悪くて範囲魔法ってあまり使わないんだ。


ここで鑑定魔法の登場!【鑑定】金鉱石。ふむ。鑑定の精度が高いのか低いのか分からない。が、名前は分かった。これは、鑑定魔法の書が悪いのか私には合っていない魔法なのか!?


とりあえず、ここで金鉱石が貯まるまで狩りをするかな。体感時間として30分位でモンスターが復活する感じかな。


何度も倒して金鉱石を集めていく。たまにビショップから銀鉱石も出てきた。アイテムドロップってお金が貯ってます!って感じでいいね。さて、今日はこの辺で帰るとしよう。もと来た道を戻り、ギルドに向かう。


ギルドで精算をする頃にはもう外は真っ暗だった。袋から銀鉱石と金鉱石、杖などの武器を出した。


「精算、お願い」


「分かりました。… … … お待たせしました。オリーブさん。買い取り合計は60万ギルとなります」


おぉー。めちゃ高い。これは数日篭るしかないね。この調子でお家買えるように頑張る。


今日は夜も遅いのでギルドから紹介された提携宿に泊まる。明日は街で買い物してからダンジョンに入るかな。



今日は疲れたし、お休みなさい。

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