第15話 レジェンド
「さあ、本日のVDCも盛り上がっています。なんと今チャンピオンの座に王手をかけたのがコモンランクの鬼。残すは後一戦。あと一回勝つかこのまま挑戦者が現れなければこの鬼がチャンピオンだ。いいのかこのまま指をくわえてみてるだけで、挑戦者はいないのか。」
観覧席に響くミスター・Mの言葉もしかし挑戦者を募る事にはつながらない。
地上の観戦者はともかく、この隔離衛星都市にいるプレイヤーにはコモンの鬼、カズマの正体を知る者は少なからずいる。
それに勝ちたい。
戦ってみたいという欲求は悪魔憑きにとってはあたり前に存在するものだ。
だが、
それでもこの最後の一戦だけは会場にいる誰もが自分たちの出る幕ではないと理解している。
だってこの場にはアレが存在しているのだから。
「さぁ、タイムリミットが迫りまたが……、おおぉ~とここでエントリーがありました。対戦者は誰でしょうか―――――え?」
「どうかしたのかい。」
ミスター・Mの驚愕にミス・Xが訊ねると、ミスター・Mは震える声でその名前を口にした。
「対戦者はランク。ラ、ラ、ラ、ランクレジェンド。ランクレジェンドのヘカテー様です。」
「な――――――。」
ミスター・Mの宣言でミス・Xを含めて観戦者たちに大きなざわめきが起きた。
「それもそうだろう。
という訳で、解説のミス・Xデフォルメちゃんが解説してあげよう。
隔離衛星都市にいる悪魔付きにはランクが設定されている。
最下位がコモンで、そこからアンコモン、レア、ブロンズレア、シルバーレア、ゴールドレアと続き最高ランクがレジェンドになるのだ。
隔離衛星都市ではランクによって居住区格が決められている。
最下層の下町ではコモンやアンコモンなんかが一般的に住んでいて、レアクラスは区間のボスみたいなものだ。
このランク分けはピラミッド構造で上の者は少なく、下のものは多いというのが現状だ。
実際、隔離衛星都市はピラミッド型の構造物になっている。
まぁ、たまに枠にはまらないモノが居るのが現実だが。
さて、ここでみんなが驚いているのはこのVDCと言うゲームは下町のゲームでいいとこレアが参戦するのが普通のゲームだ。
そこに都市最上階層に住むレジェンドクラスが現れたらみんなびっくりするよね。
例えるならスラムのバスケットコートに大統領が単身で参加するみたいなものだよ。
さてさて、このレジェンドランクの大物が現れた理由とは。
ヘカテーという悪魔の正体とはいかなるものか。
気になる人は次回もチェックプリーズ。」
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