第12話 鬼VSサイクロプス 2
「さぁ、土煙が晴れてきました。鬼は一体どうなった!」
土煙が晴れたそこには片膝をつきながらも健在な鬼の姿があった。
「なんとぉ~、あの凄まじい雷撃を食らって鬼は健在です。片膝をついていますが無傷の様だぁ~。」
実況のミスター・Mの叫びに観戦者たちは驚愕にどよめく。
「これはどういうことでしょう。予想できるのは鬼の前に立つ黒い柱に秘密があるようだが。」
今だ帯電する地面に膝をつく鬼の前には黒い六角形のは柱が立っていた。
2メートルを超えるくらいのその柱により多くの電流が帯電していた。
それが何なのか、警戒したサイクロプスは追撃をせずに距離を取る。
その間に鬼は立ち上がり、帯電している柱を片手でつかむ。
じゅうううううううううううううううううう。
帯電して熱を持つ柱に触れたことで鬼の手が焼ける。
しかし、鬼は気にせず柱を地面から引っこ抜くとブォン!と一振りして肩にかついだ。
「あれはいったい何なのだぁ~。解説のミス・Xお願いします。」
実況のミスター・Mから解説のミス・Xに説明が求められた。
「アレは金棒だね。課金ポイントを使って金棒を取り出したんだ。」
「金棒⁉ただの金棒であの雷撃を凌いだのですか。」
「地面に突き刺していただろう。アレで大半の雷撃は地面に流されたんだ。アースというやつだな。アースは地球、地球はニャース、ナス食べるなら麻婆ニャース。」
「なるほど。最後の意味は分かりませんが、金棒でアースを利用して雷撃をいなしたと。」
「いや、アースは地球だし、ここは月面だからムーン?いや、そもそもこれはVRだしな。」
「そんな細かいことは気にしなくていいと思います。問題はサイクロプスの切り札と思われる一撃をいなしきったという事実。この鬼、コモンだけどただの雑魚じゃないぞ。この後の戦いが見ものです。ジャイアントキリングなるか。観戦席も盛り上がってきました。」
「ちなみにあの金棒はこんなアイテムだな。」
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【鋼の
修験道において修行に用いられる杖。
この杖は大日如来を表すとともに修験者の法身を表すもので即ち修行の果てに仏と一体になるための法具でもある。
邪悪なるものに対して攻撃力アップ。
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「つまり鬼に金棒というわけだぁぁぁぁ!」
「それだけじゃないね。鬼とは修験道でも普通に修行して仏になったものもいるし、アイテムとの相性はかなりいいはず。加えて、手に持った時の火傷がみるみる再生している。これも何らかの課金ポイントでの恩恵かな。」
「なるほど、この試合、どちらが有利かは一概に言えないわけですね。」
「そうだね。さあ次の動きが来るぞ。」
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