第20話 鬼VSヘカテー 2

「さぁ、ベットタイムもお終いだ。ここからは試合が始まる。皆面白い戦いに成るようにドンドン課金してくれたまえよ。」

「鬼・改に勝ち目があるとしたら課金アイテムでの強化をどう使うかだね。」


 カ――――――――――――ン!


「さぁ、試合のゴングがなったぁああああ!――っと、同時に鬼・改が突撃をかけたあああ!手にするのは金棒。鬼に金棒だあああああああああああ!。」

「開幕直後に強襲、これはなかなかに良い選択だ。これで鬼・改は自分の戦意を見せられた。こうなると勝ちに行っている鬼・改弱者に判官びいきが期待できる。課金ポイントが溜まればそれだけで有利を掴めるはずだからね。」

「しかし、その初撃の攻撃もヘカテーは難なく腕で防いでいる。腕は折れていないのか?流石レジェンド、強度の方もかなりすごそうだああああ!」



『痛っいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!』

 ヘカテーの内心はそんな感じだった。

『金棒を素手で受け止めるとかマジ痛いから。しかもコイツ容赦なく頭狙ってきやがった。ははは、本気で勝を取りに来てるんだろうな。ならば私も本気で行こう。』

 ヘカテーは素早くそう決意すると至近距離にいる鬼・改に向けて松明を掲げる。

「アギダイン!」

 ヘカテーの前に強大な炎の柱が吹きあがる。

 しかし鬼・改は素早く距離を取って躱す。

『魔術師タイプの私に距離を取るとか馬鹿なの。』

 ヘカテーは松明を掲げて追撃をかけに行く。

「遅い!」

 しかし、鬼・改は離れたと思ったら素早く接近して再度金棒にで頭を狙いに行く。

「くっ!」

 ヘカテーは素早く魔法を唱えようとするものの鬼・改の素早が許さない。

 ヘカテーは打撃を腕で防ぎ、素早く炎を打ち出しては対処する。

 だが、鬼・改はそれらの炎を巧みに躱しては金棒で執拗に頭を狙っていく。


「おお~と、鬼・改が先に仕掛けた~。これまでの戦いは後の先を取るような戦いが目立っていただけに、これは降魔の影響か~~~~!」

「いや、違うね。これは課金ポイントだ。」

「課金ポイント?」

「降魔にて鬼・改は大きな力を得たはずだ。しかしその分鈍重になってしまっていると思われる。そこを課金ポイントで加速スキルを習得して潰しているんだろう。」

「つまり、パワーもスピードもけた違いに強くなっているということか!しか~~し、やはり相手はレジェンド。先ほどからの攻撃はすべて防がれております。しかも開始から一歩も動いてはいません。」

「ヒットアンドアウェイの繰り返しの鬼・改に一歩も動かないヘカテー、まさに対極のようなスタイルだがどちらが先に動きを見せるかが見ものだね。そこのところ2人はどう考えてるんだろう。」


『いや、だから痛いんだってばああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!』


 解説のミス・Xの予想と違い、ヘカテーは内心泣いていた。

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