第16話 ヘカテー

「さぁて、ミス・Xデフォルメちゃん。略してエデルメちゃんがヘカテー様について説明してあげよう。

 ヘカテー様ってのはねぇ、この隔離衛星都市においてトップランカーの悪魔憑きなんだよ。」


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【ヘカテー】


 古代ギリシャ神話における月の女神。

 同じく古代ギリシャ神話の太陽神アポロンの女性体の名前ともよばれ、太陽と対になる月と夜の象徴としても語られる。

 他にも、「死の女神」「女魔女の守護者」「ラミアーの母」「死者たちの王女」「無敵の王女」などとも呼ばれている。

 エジプトの多産・復活の神ヘケト。ケルト神話の影の国の女王スカサハとも同一視される。

 ゼウスからは海上・地上・天界で自由に行動する権利を認められており、冥府においてはハーデス、ペルセポネーに次ぐ権威を持つとされる。

 その姿は松明を持ち冥府の番犬ケルベロスを従えていたとされている。また、三つの姿であらわされることや三つの顔を持つ女神として語られている。

 これは三相の象徴で、天界・地上・冥界や新月・半月・満月、処女・婦人・老女、過去・現在・未来などの要素を神格化したものだともされている。

 また、コルキスの守護神ともされアルゴノーツのメディアやイアソン、アイアイエー島の魔女キルケ―の魔術の師ともされているともされている

 加えて、犬、狼、雌馬、蛇などを使役するとも言われている。


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「って、ちょっと長い紹介になったね。

 でもそれだけ大きな存在なのが女神ヘカテーなんだよ。

 それを宿す悪魔憑き、それがどんだけ強大なものかは分かってくれたかな。

 本来なら隔離衛星都市の最上層にいるはずのトップランカーがこんな下町に来ちゃいけませんよ。プンプン。

 さて解説はここまであとは物語を楽しんでね。」


 その姿は銀髪の髪を持つ三つの顔を持つ姿で現れた。

 右側が狼で左が雌牛であり中心が絶世の美しさを持つ人間の女性の顔。

 黒い衣装をまとう姿態は8頭身の均整の取れた女性体。

 目は髪と同じく銀色に輝き、艶やかな肌には傷一つない。

 神々しさと禍々しさが両立している美しい女神の登場に試合を観戦している者たちは茫然自失だった。

 

 ただ一人、

 対戦相手になる鬼、カズマだけは違った。

 その赤い肌はすくみ、ガタガタと震えていたのだ。

 それは格の違いを分かっているからであり、加えて、ゲームの中とはいえカズマは彼女に殺されたことがあるからでもある。

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