第28話 ブラックドッグ
とりあえず、外道 ヤクザを打ち倒した2人は入り口に戻って来た。
そこでみたモノは、
「これまたデカい異界になってるな。」
「そうね。アトラクションの多くに野良悪魔が湧いているわね。」
そういう2人が見える範囲だけでもそこかしこで戦闘は起きている。
とは言え、誰もが戦えるわけでは無い。
悪魔憑きとなって戦闘本能が高まっていても、弱い者はいる。
今のところはそんな弱い者たちが寄り集まって、危険地帯からの脱出を図っているようだ。
強い力を持つデビルハンターは積極的に野良悪魔に挑んでは注意を引き付けている。
「どっちに加勢する。」
「脱出組かしら。もたもたされても邪魔だし。」
「OK、そう言うことにしておこう。」
「何よ。気になる言い方じゃない。」
「気にするな。」
そう言ってカズマはディアナの頭をクシャクシャとなでる。
ここで弱い物を見捨てないディアナの優しさがカズマは好きだった。
そうと決まれば善は急げである。
さっそく脱出組の援護に入った2人だったが。
「クソ、強さはそこまでじゃないけど数が多いな。」
「こいつらブラックドックだね。」
―――――――――――――――――――――――――――――
ブラックドック
ブラックドックとはイギリスに広く知られる黒い犬の姿をした邪悪な妖精である。ヘルハウンドとも呼ぶことがある。
たいていは燃えるような赤い目をした大型の姿で現れ、口から血を滴らせていることもある。
主に夜中に現れ古い道や十字路などに出没するという。
その多くが出会った人を殺しに来たりする。また、逃げ延びても数日中に死んでしまったりすることから死の先触れや死刑の執行者とも言われている。
その反面、死者を埋葬する際、犬を先に埋葬することで使者が無事に天国に行けるようにするという風習もあり、この際生まれたブラックドックは墓荒らしから墓地を守る番犬に成ったり、幼い子供を守るとも言われている。
また、ギリシャ神話に登場する女神ヘカテーは黒い犬を使役するが、ヘカテーが冥府の神でもあるから黒い犬を使役していたとして同一視されてもいる。
―――――――――――――――――――――――――――――
「この数、どうにかならんか。」
「どうにかったって野良悪魔をしとめる以外ないですよ。こいつら知能が低いから変な策は通じませんし、異界の主が命令権を持ってますから交渉も難しいでしょうね。」
ワルサーP38でブラックドックの眉間を打ち抜きながらカズマが吠え、ショットガンでまとめて吹き飛ばすディアナも吠え、ブラックドックも吠える。
混沌とした状況をどうにかするには。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます