第29話 脱出作戦
カズマはワルサーの他に鬼の力を駆使してブラックドックの数を減らす。
ディアナもショットガンを撃っては時に魔法攻撃を放つ。
ディアナが放った火の魔法でまた一体ブラックドックが倒された。
「あと半分くらいか?」
カズマがそんなことを言っているとディアナにショットガンのストックでケツを叩かれた。
「いてぇ、何すんだよ。」
「フラグが立ちそうなことを言うから折っておこうと思ってな。」
「あ~、はいはい。今のはフラグぽかったですねえ。」
そう言ってカズマはパーカーのフードを目深にかぶりなおす。
「とりあえずちょっと大技行くぜ。」
カズマが鬼の姿になると。
「暴れまくり―――――からの~~~~~~金剛発破!」
繰り出される拳と蹴りの乱打で次々とブラックドックたちを叩き落としていく、そして残ったモノも必殺技の金剛発破――何処からか取り出した金棒の一振りで生み出された衝撃波が一掃していった。
「ひゅぅ、どんなもんだい。」
「カッコつけるのは後、次が来る前に脱出するわよ。」
「OK。」
そして2人は脱出組の殿を務めながら皆を出口へと連れていく。
ちなみにであるが、デビルバスターには野良悪魔が残すエーテルタイトを回収する装置が支給されている。
この装置は周囲のエーテルタイトを取り込みエネルギーとして保存することができる。
エーテルタイトは悪魔化の際の精神への負荷を抑えることができるため、デビルバスターが戦闘で使用したり、街で換金したりすることができる。
換金されたエーテルタイトは主に医療目的で使用される。たとえるなら献血みたいに必要な人に贈られるのだ。
この回収機は自動で働いてくれるので戦闘中でもいちいち拾わなくていいから便利である。
「もうちょっとで出口だ。」
「と言ってたらもう一波来たな。」
「エーテルタイトも溜まってるし、一気に蹴散らしてやろう。」
「おっ、お兄ちゃんのカッコいいとこ見てみたい。」
「任しとけ。暴れまくりか~ら~の~金剛発破。」
お決まりのコンボを決めて現れたブラックドックを瞬殺して見せるカズマだった。
ところが。
「何?」
蹴散らしたはずのブラックドックたちが霧散せずに一つに集まって大きくなった行くではないか。
「ここにきて合体だと。」
本来は体長は1.5メートルくらいのブラックドックだったが、数十匹のブラックドックが合体することで体高3メートルくらいのブラックドックになってしまった。
黒い毛並みはますます黒くなり、上半身だけで下半身は幽霊のように揺らめいている。
燃えるような赤い目は本当に燃え上がっていて、口からは大量の血を滴らせていた。
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