第23話 コステラと刺青
深夜、日付も変わった頃に連れていかれたのは庶民的なコステラオン。此処は二十四時間営業なのだと云う。
コステラオンとはコステラ(アバラ骨肉)専門レストランのことだ。
席に座り、
すると、頼まなくてもコステラが勝手に運ばれてきた。まったくブラジルのレストランは、食べ放題が基本であるかのようだ。
細身のナイフで脂たっぷりの身を骨から切り離しては口に運ぶ。脂の甘味が口中に広がる。心の疲れに呼応するように
肉の
二十四時間絶やさず燃え続ける窯でじっくり焼かれたコステラは、軟骨もスジも脂もとろとろで柔らかい。
塩のシンプルな味付けだけに、肉の旨さが引き立つのはステーキと同じ。まったく昨日から肉続きだ。それでも飽きないのは、この国の豊かな肉食文化の為せる業なのだろうと思う。
皿を運んでくれる店員は、腕から
恐らく成人の九割は刺青を
彼らにとって、刺青の目的は威嚇でも露悪でもなく、
「ええ、してますよ。お
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