第26話 ドライブとパラナ松
会計を済ませていたところで、急に騒音が大きくなったと思うと、外は驟雨が猛烈にアスファルトを叩いていた。暗くなった空では雷神を戴いた黒雲が不穏な音を鳴らしている。突風が樹々を揺らして、駐車場に並んだ車を横殴りの雨が乱暴に洗う。
先刻までは真っ青に晴れていた空がほんの一瞬で嵐になるのは、これも山の天気と云うことなのだろうか。気紛れな天は人々を驚かせて気が済んだのか、ほんの数分
私たちは雨が小止みになるのを待って車に乗り込み、少し遠回りをして街へ向かった。車を走らせるうち次第に窓の外が明るくなってくる。
雨が上がって陽が射すと、大豆畑の上に虹が架かった。なにものにも区切られない
虹の下に広がる緑の大地に変化をつける特徴的な樹は、パラナ松だ。
真っ直ぐ伸びた太い幹の頂上のあたりで、傘が開いたように枝が八方へ広がる。穀物畑や草原の中にパラナ松の立つ様子はどこかサバンナの植生を思わせるが、此処は
パラナ松は州の保護指定樹木で、枯れない限り
「松」と称しているが、この樹は実は、厳密には松ではない。とは云え杉の一種だと云うから私にすれば大差ないし、他の多くの者にとってもそれは同様らしい。きっと今後も「松」と呼ばれ続けることだろう。
ピニャオンと切り離せないのが、真冬にかかろうという時期に行われる
輪になって陽気に踊る人たちへ名物として供されるのがこのピニャオンと、甘いホットワインとケンタォン(カシャーサに生姜や砂糖を入れ
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