第25話 イタリア人街
昼食のために向かったサンタフェリシダージは
その
白亜の宮殿のような佇まいのこのレストランは一度に四千数百人もの客を
飲み物だけ注文すると、直ぐに皿が幾つも運ばれてくる。例によって食べ放題だ。
手羽先の素揚げ、サラダ、トマト、マンジョッカ(キャッサバ)フライ、チーズ。なかでも店の自慢は手羽先の素揚げだ。表面はカリカリ、それでいて鶏肉のジューシーさを損なわない絶妙の揚げ具合で、幾らでも食べられる。一皿に
そのうちペースが鈍ってくると、まだ
どうもブラジル人は食べ物を粗末に扱うことに罪悪感が希薄と見えて、大量に料理を皿に盛っておいて平気で食べ残すし、残した物は未練なく棄てるようだ。農産物に恵まれたブラジルの人々が、有史以前から度々飢饉に見舞われた記憶が社会の遺伝子に刻み込まれた日本人と感覚を同じくすることはないのかも知れない。
但し、路上生活者が飲食店から出た残り物を当てにしているらしい
ここでも料理を持って廻って、客の注文に応じて給仕する店員が
「手羽先の店ですから」
と、当然と云う顔でクリスティナさんは返した。続けて、ピザ用の石窯がないレストランで美味しいピザが食べられる訳がない、と。この店で食べなくとも、周囲には美味しいピザ専門店が幾らでもあるらしい。
最後の
黄金色に輝く姿は
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