第5話 フェイジョアーダ
昼食はリベルダージ近くのレストランで。
ブラジル料理と云えば
豆をベースにした黒いスープの中に、輪切りにしたソーセージや、モツ、肉の欠片などがたっぷり入っている。滋養とコスパに優れたこの料理、元は奴隷や使用人に食べさせる為の料理だったらしい。それが
白飯の上にフェイジョアーダをかけると、途端に皿の上一面が黒くなった。お汁粉のようなねっとりとしたスープに、やはりお汁粉に入っていそうな割れた豆。その間をごろごろと肉などの具が転がる。
これに具を入れず、豆だけにしたものはフェイジョアォンと呼ばれる、これもポピュラーな料理だ。豆だけになると
殆ど脂ばかりのような肉や、肉付きの骨(骨付きの肉ではない)に
フェイジョアーダにはオレンジが付き物だ。こってりしたフェイジョアーダに
満腹して、タクシーに乗ってホテルへと戻った。今日は渋滞は幾分ましだ。窓の外に街が流れる。
道路の側壁も其処らのビルの壁も、様々な落書きで彩られている。雑な装飾文字もあれば芸術品と思える
ビルの隙間や道路の中央帯や公園に姿を現す樹々や草花。日本のそれのように人に飼い馴らされた感じは受けず、どこか野生の匂う
見上げれば上空を飛行機が
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