海軍特別年少兵第四期生

第24話 入校

一気に緊張が高まった。これまで静かだった下士官のドスの効いた号令が響き渡る。歩調取れ！入り口で身の引き締まる思いだった。

そして、前方にある練兵場の広さに驚いた。霞んではいたが右手に連なるアンテナの塔。何棟も立ち並ぶ兵舎らしき建物、歩調止め！と同時に今度は駆け足進め！の号令で兵舎に向かったが、なんせ遠かった。以後、校内にての教育期間中全ての行動は駆け足だと聞かされた。この先どうなるんだろう…

新兵の兵舎は1番北側の第11兵舎だった。指示に従って兵舎に入る。既に昼食の準備が出来ており軍隊食を頂くことになったが食糧不足の時代とは言え腹が減っていないので喉を通らなかった。下士官から残さず食べよ！と。今日の休憩で、1日分以上の食事を食べてしまっていたので皆苦労して食べていた。

食事が終わると身体検査が実施される事となり、ひょっとしたら…ここまで来たが駄目かもしれんと少々の不安があったが簡単な検査で心配する程ではなかった。