第17話 両親

小学1年の春に父親が亡くなったが、四男坊の私が可愛かった事だろう。この世を去るギリギリまで添い寝をしてくれた父がいつも言っていた言葉を思い出すと、大きくなったら陸軍太尉になれ。と海軍とは一言も聞いたことがなかった。やっぱり父親に一声掛けたかったなぁ…

夕食後、兄に親の写真を持っていきたいけどないから改名を書いて持って行ってもいい?と頼むと紙を切って両親の改名を筆で書いてくれた。胸ポケットに入れると不思議な物で何だか心が落ち着いて両親も一緒に行ってくれると感じ本当に嬉しかった。

未知の世界に旅立つ最高の持ち物になった。

出発時間が早朝だったため村の方々の見送りは無かったが、前日にはお世話になった方々の挨拶回りを終え待ちに待った最後の夜を迎えることになった。

兄が持ち物の最終点検もしてくれた。卒業してからの1ヶ月は特に長い期間だった。明日は午前2時起床。3時出発。4,5時間だったが、よく眠れてよかった。


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