第21話 発車のベル
下りの2番ホームには軍用列車が発車ベルを鳴らしながら待っていた。急いで乗車するも上りの列車が入ってきて、下り列車から見送りの人たちの姿が見えなくなってしまいバンザイの声だけを聞きながら西へと発車して行った。
岐阜駅からの出発者は、みんな悲しがっていた。
軍用列車は関東からの、それぞれの駅で数々のドラマを作り走ってきたことだろう。
私達の車両は東海3県の出身者専用だった。大垣駅からの乗車組もあったが、大垣は下りの列車のホームが改札口の前で別れに相応しい光景だった。
平野を走る車窓から眺める景色。田園に咲く菜の花が満開で美しくて見惚れてしまった。畑仕事の人を見つけてはみんなで車窓から手を振り大声で叫んだ。おーい!仕事の手を休めて挨拶してくれた。この様な光景が自らの気持ちを高めていった。元気一杯だった。
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