第20話 姉との会話
そんな時、姉に、弁当ばっかこんないらへんでちょっと持ってってよ。と頼んだら姉が、何言っとるの!入隊は25日やで、まだ3日もあるやないの!持ってかなあかんやろと。それにしても持ち物と言えば軍隊手帳などを入れた奉公袋以外は全部食べ物ばかり。家の人が心を込めて持たせてくれたのに食欲も無くこの様な言葉が出てしまった。
駅の構内は見送る人達で溢れかえっていた。駅員さんの案内で乗車し岐阜駅からの出発者は10名ちょっとだったと思う。非常改札口からの入場となり姉が本改札口の一番前の場所から、功見、一番見えるとこにおるからちゃんと見なあかんよ!と大きな声で叫んでいた。
ここまで来たら、もう同僚も大勢いる、皆んな一緒だし心配事がなくなり落ち着いて行動出来た。階段を登り切ったところで振り返ってみると、姉が真顔で見送ってくれる姿を目にした。忘れもしない一瞬だった。
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