第37話 罰直諸々

蜂の巣罰直。蜂の巣とはよく言ったもので、衣嚢棚の箱の中に2名ずつ笛の合図で素早く入る。小柄な兵にはなんて事ない事だが、身体の大きい兵は箱に入り切れずはみ出る部分をこん棒で叩かれた。

卓上に配食したテーブルを班全員で持ち上げるなんてものもあった。一分間の食事の間に毎回どこかの班がやらされていた。他の班がやられていても同情した事など無い明日は我が身だ。毎日、幾つもの罰を受けていた。

兵舎内の住居室、中央通路を挟んで南側が77分隊・北側78分隊お互いに室内での行動は監視しており全ての動作を競わせるようにさせられて、罰直のもととなっていた。

兵学校の棒倒しと言えば有名だが私達は分隊対抗の騎馬戦があり、小柄な私は騎馬となった。お互いに負ける事などは絶対に許されず死関と言われる程だった。

綱引きも分隊士自らの指揮となり、負ければ分隊士自らの罰直となるので大変な試合になっていた。

77分隊士は山口兵曹長。この分隊士はまるで海軍を一人で背負っているかのような実に厳しい士官であった。

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