第33話 訓練
学校を卒業して直ぐに此の道に入ったものの、何一つモノにするが出来ずに苦戦していた。
青年学校の経験者は、それとなく上手くやっていたが我々は只々一生懸命にやるだけだった。
入隊して間もなく靴擦れになり本当に悩まされてた。革靴など生まれてこの方はいた事のない田舎者。野外訓練よりこの方が大変だった。
持ってきたハガキを細かく折って軍足の踵の中に当てて見たり色々な方法はやってはみたが余り効果は実感出来なかった。
最初の外出にも行く事が出来ず残念だったが、外出の出来ない仲間が同様に大勢いた。
教員陣には兵舎で休養した方が良いと言われた。
海軍といえば、カッター訓練。三田尻港にて外洋とはいかないまでも波は高い。山育ちが海の男となる為に無我夢中で頑張った。海は実に怖く、船酔いや海中に落ちそうになった事も数え切れず…
又、沖合いに出た頃に警報が発令され上空をB29が編隊で通過して行き徳山か広島か、それとも光にか
爆撃に向かっている。
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