第28話 修行編 Last Day ②
「
——
イチの外傷はセフェクの能力によってみるみる修復されていく。イチの早かった呼吸も落ち着きを取り戻し始めたことから、おそらく内臓も同じように修復されていることが分かる。
「何が …… 起きた ……の? 」
「これがオレ達の能力だ。そしてお前が身につける能力でもある」
「イチ様、突然のご無礼をお許し下さい。すでにお体は回復されております」
「ほんとだ …… 痛みが全くない …… 」
「この世界の
「うん …… 」
——
「
茂みから
「トーレ?」
「おう、あの時の小僧か」
「イチ、お前とは話の途中だったからな。それを伝えるつもりで来たが …… 。それと、そっちのガキは相変わらず口が悪いな」
「はっはー! セフェクだ。自己紹介がまだだったろう?」
「トーレだ。ジンを知りたいんだろう?」
「っは! 知っておく必要はあるな」
「状況的にお前もイチへ協力する流れか? いいぜ、ついでにセフェク、お前にも教えてやる。」
「トーレ …… ありがとう!」
イチはトーレへ素直に感謝を述べる。
「ふっ」
トーレはこめかみあたりを少し
「手短に説明してやる。
「ほぅ …… 」
うんうんと頷いているイチの横で、セフェクが
「それが表か」
「察しがいいな」
「え?!」
「っは! 気付くように話していたように見えたがな。何を探っている?」
「ふっ、ただの生意気なガキではないな。セフェクのいう通り、
「えぇ?!」
「裏解釈では、まず
「禁術ねぇ …… 」
「えぇぇ??!!!」
「イチ、いちいちうるさい! この後、理解できるようになるから騒ぐな」
「いっ …… !!!」
ナチュラルに出てしまったのであろうトーレの言葉に、イチは最大のツッコミを押し殺した。
「言いたい事はわかった。オレも十中八九その通りだと思うぜ? 見せてみろよ。その
「ああ、表のな」
「 …… (ここでもまた常識が崩れる)」
イチは、
「 …… 」
——
トーレが右腕を空に
「こ …… これはっ! そんな …… 」
トトが法式を目にし、思わず声を上げた。
「
トーレの
「はーっはっはー! やはりな! ベゼブかっ!」
セフェクの顔は、眉も目も頬も口も釣り上がり、殺意と言わんばかりの恐ろしくも悲しげな表情へと変貌した。
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