第3話 百万 一与 ③
「兄貴ぃ!!!!!」
——
いや、見たままを伝えるのであれば、正確には刹那に、その漆黒の闇の中の何かが人物大まで口を広げ、そのまま一口で
「カイエン様っ!」
イチが声を荒げながら立ち上がる。
周りの子供たちはまだ状況が理解出来ていない。
——
「お前ら全員この部屋から離れて昼寝でもしていろ!」
すでに
と同時に、どこからともなく現れていたその他三人の
「カイエンさま、間も無くゲイトが
電子そろばん担当の
彼女を含む三人の神職は、不思議と
さらには、唱えの一つ一つが空間に目に見える文字として描かれていく。文字は揺らぎながらも
「詳細は分かりかねますが、これは我々の制御ではなく、ゲイト自らが無段階に向かっているようです! おそらく向こう側で閉じているものかと!」
「目的を果たした …… という事か」
「どうなってんだよ! ハレヒメ! ハレヒメ!」
普段は遠慮気味で自己主張の出来ないイチだが、この時ばかりは周りも気にせず力の限りに叫ぶ。
「カイエン様、説明してくれよ! あれは何なんだ! ハレヒメに何が起きた!」
イチは神職たちの静止を振りほどきながらも、先ほどまでそこにあった漆黒の闇の何かの場所まで駆け寄り、体は震えながらも
「イチ …… 」
ほんの少し、握りしめた拳を
——
突然の
「何かは知っているんですよね? カイエン様も他の神職も落ち着いていて初めてじゃないみたいだ」
少しだが落ち着きを取り戻し、相手が答えやすい言葉へとイチが問いを変える。
「 …… (状況をいち早く改善し、次へ進める為に感情を落ち着かせる事が出来る子だ。決して感情に任せて
「 …… 」
イチは返答があるまで沈黙を守る。
「 …… 君には正直に答えなければいけないな。後で
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます