第29話 修行編 Last Day ③
「何てことを …… 」
トトは驚きを隠せない様子だ。
「えっ!? ベゼブってセフェクのお父さんの
「ええ …… トーレ様が使われた法式は、唱えこそ違いますが、我々の世界の法式そのままです。しかも、我が国王であるアテン様や、一部の者しか知らないはずの最大
「ああ、これは
「って事は …… 」
「あの野郎、
「そんな ……
「っは! これは早速の収穫だトト! そのバアルとかいうペテン師がベゼブで間違いねぇ!」
「ですね …… 」
「やはりな …… セフェク、お前に興味が出た。詳しく聞かせろ」
トーレは、セフェクと出会うまでの経緯を聞く。
……………………
…………
……
一同は各々、その場で程度の良い所に腰を掛け、それまでの経緯を話し合った。
「なるほどな、
「オレはバアルを目指すぜ。ジンの理屈も理解した。濃縮
「そんな簡単に言われても …… 」
「トーレ、お前らは
「あぁ、ジンの二大法式以外の解明は禁止されているがな、一族ではこれを使う」
トーレは立ち上がり、再び右腕を前に差し出す。
——
「
「キレイだ …… 」
イチはチリチリと少し髪の毛が逆立つのを覚えた。
「なるほどな …… 何も知らずに良くやってるよ、お前の一族は」
「
セフェクとトトは、真っ直ぐに円環法式を確認するように眺めている
「あぁ、これが本当の基本のキってやつさ。トーレ、体が
「ああ、
「はっはー! お前もお前の一族も気に入ったぞ!」
セフェクは座りながら膝を手で叩くと、唱えを放った。
「
——
激しく風が舞い、セフェクの前にサークル上の法式が完成している。
「どうだイチ、トーレと同じだろ?」
「う …… うん(少し違うけど …… )」
「お前はまずこれを覚えろ」
「そんな、ジンはまだ発現したこともないのに」
「いや、このMode First《モード ファースト》、こっちでいう
「え?!」
「お前が必死に発現しようとしていた
「そんな …… でも …… 」
「いいから、やってみろ。法式は覚えたか?」
「う …… うん、前から自分なりに考えていた法式と大体同じだったから …… 」
「 …… (なんだと …… ! 自分なりに考えていただと? こいつ、能力が使えない中で、それでも使える法式を編み出そうと、法式自体を解明しかけていたという事か? 一族でさえ、どれだけの年月を割いていると思っている!)」
トーレは、イチがなんとなく漏らした言葉に敏感に反応した様子だ。
「やってみるよ …… 」
——
イチは、右手を空へ留めると、二回見ただけの書術を描き始める。
「 …… (こいつ、やはり …… )」
イチは目を
——
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます