第二章「勇者と大魔王が婚したらごらんの有様だよ!(その2)」

 抵抗しようにも決戦直後で死に掛けていた身。魔界本国から救援が来たセリスと違い、一時的に協力してくれた人々がいるとはいえ基本孤軍奮闘してきた勇に救助などくる筈もなかった。


 彼は最初のドラ○エ主人公並に孤独だったのだ。いや、偉い祖先が居ない異邦人というだけ彼の方が孤独かもしれない。


 魔王の居城へ連行され、手厚い看護を受けた。


 怪しげな薬と治療法であるが、効果は絶大で瞬く間に傷も癒えた。と同時に、医療設備が自分の世界のモノと同等であることに仰天したものだった。


 魔界くんだりまで連行されてきたのだ。おそらく処刑は間違いないだろう。


 彼は身近に迫る危険を考えて心安らかにならなかった。傷の治療も慈悲みたいなものだろうから、これをもって助かるという可能性を見出せない。


 傷が癒えて数日後。


 病室に押し込められている勇の耳が複数の足音を聞き取った。


 ついに来たか。


 勇は覚悟を決めて処刑人の来訪を待った。


 ここまで来たならば、見苦しい態度をせずに毅然として最後を受け入れてやろうじゃないか。


 命乞いするには殺しすぎたのだからな。冒険開始当初ならブルってたが、ここまで来たら自分でも驚くぐらい肝が据わってしまってるなぁ。


 それにしても短い人生だった。


 心残りも挙げればキリがない。恋愛らしいこともまったくせず、清い身体のまま死ぬ事になろうとはな。まったく未練たらしいと思われるが、それほどまでにロクでもない人生だった。


 などと人生を振り返っている中、扉が開かれた。


 そこに現れたのは処刑人にしては身なりの整った人型魔族の集団。


 何か式典でもあるのか、礼服を隙なく着こなし、手には誰が着るのか解らない漆黒のタキシードや黒真珠や銀で細工したアクセサリーをもっている。


 不審な顔をする勇に、先頭に立っている年老いた魔族が恭しく告げた。


「婚礼の儀がまもなく開始されます。慌しいことではありますが、準備をして頂き等ございます婿殿」


「婿ぉ!?」


 思わぬ単語を聞き、勇は声を裏返させて驚きの声をあげた。


 婿、むこ、ムコ、MUKO。


【婿】 夫として家に迎える男。また、娘の結婚相手。娘の夫(小学館辞典編集部 現代国語例解辞典第三版より)


(何をどうすればそうなんだよ。もしかしてあれか? 処刑する前に虚飾に満ちた肩書き与えてそれ相応の格好をさせて晒し者にでもする魂胆なのか?)


 そんな疑惑を持ったが、補足する必要を感じた老魔族は言葉を続けた。


「あなた様は、魔界を統べる偉大なる女帝、絶対的支配者たる大魔王セリス・ヴィシャル・ファラ・ル・ド・ダクプリズム十三世陛下の夫となられるのです。そして、本日、先代立会いの下で夫婦の誓いを立てて頂くのですよ」


「嘘だろ?」


「嘘ではございません。あなた様のお命と引き換えに、陛下は人間の世界から完全に手をお引きになられました。あなた様が居る限り、私達は侵攻する事は有り得なくなりましたよ」


「……これから殺される奴に冗談はいらないんだぜ」


「本当の話でございます。前々から陛下はあなた様に想いを寄せておられました。それが今回の事態にまで進んだのです」


「……」


 即答されて声を失った。


 魔界の女帝が実は俺に前から惚れ込んでいて、最終決戦終了直後に俺の生命と、異世界の平和と引き換えに俺を婿として魔界へと連れ去っていったとか。


 そんな馬鹿げた話を信じろという方が無理があるつーか、誰も信じねぇよそんなもん!


 沈黙した勇の姿を、老魔族は納得と解釈したのか、左右に控えていた部下に合図を送り彼を取り囲んだ。


 ここに居る魔族らは破壊よりもこういうのが専門なのだろうか、勇者であった青年は手際よくあっという間に寝巻きを脱がされてタキシードを着せられていった。


「やめろジョ○カー! ぶっとばすぞぉ!!」


 混乱していた勇は自分でも意味が分からない叫びを放ったものの、トンデモ事態に直面して虚脱状態になっており、抵抗らしい抵抗をする力を出せずにいた。


 あれよあれよというまに新郎としての身なりを整えられ、気が付けば引き摺られるように式を執り行う会場まで連れて来られていた。


 会場に足を踏み入れたとき、勇は緊張に身を硬くした。結婚への緊張ではなく、勇者として現在置かれた状況に対してだ。


 彼は式場と聞いて教会か披露宴会場みたいなものを想像していた。


 だが、現実はというと、勇が地球に居た頃見た東京ドームを思い出させるようなドーム状のコロシアム。観客席には小さく見積もっても一万以上は居るであろう礼服を着た魔族らが座っていた。


 勇が姿を見せたとき、会場中の視線が集中した。


 敵意、好奇、不審など、清々しいぐらい正直な反応をする観客らに勇者だった男は口端を苦笑の形に曲げた。


 中央には磔の十字架の代わりに祭壇が設置されており、神父役であろう僧侶の身なりをした悪魔が緊張した表情で新郎新婦の登場を今か今かと待ち構えていた。


 その左右に居並ぶのは、親族や親しい友人だろうか。発する魔力といい身なりといい、上等な部類の魔族達であった。


 中でも最前列の長椅子を独占して座る壮年の男は、一際体格が大きく、セリスとは違った意味で支配者以外の職業が想像出来ない眼光鋭い怜悧な容貌と、会場の中でも一番巨大な魔力を全身に漲らせていた。


 周囲もこの男に遠慮しているのか視線を合わそうともせず丁重な態度で接している。


 どうやら余程の人物らしい。と考える勇へ案内役の老魔族が耳打ちした。


「先代陛下であらせられます」


 それを聞いた勇は、つまり今の大魔王の親父で娘は母親似というわけかという感想を抱いた。


 内心そんな感想を抱かれたとも知らず、婿となるべき男の登場にも一瞥くれただけですぐさま視線を祭壇に戻す先代大魔王。


 婿とはいえたかが人間。そんなのよりは娘の晴れ姿に関心が偏るのは仕方がないかもしれない。勇としては下手に興味もたれても困るので少し安堵したものだが。


 勇の背後に控えていた老魔族が先代に接近した。彼の目の前へ来ると、片膝を立て、勇と接した時よりも更に恭しく頭を下げて臣下の礼をとっている。


 先代はというと、少し目を細めて相手の報告を聞いている風情であったが、おもむろに勇の方へ再び視線を向けてきた。


 銀色の瞳がこちらを見据えている。外見は似てないが、少なくとも瞳の色は父親譲りらしい。


 流石は魔王だった男であった。視線を向けてきただけでも凄まじい威圧感を感じ、勇は腹に力を込めた。


 今まで出会ってきた国王や国家元首なぞ足元にも及ばないであろう。弱い生き物ならば、物理的な圧迫感も加わって潰されてしまうのではなかろうか。


 視線が合わさったのは僅か数秒。先代は顎をしゃくって勇に近くへ来るよう促した。拒否権などないので、精々肩肘張って傍へ寄った。


 寄ってから彼はある事に気がついた。


 不本意で不条理の極みとはいえ、今日からお義父さんとなるべき人物を目の前にして、老魔族のように跪いた方がいいのだろうか。


 しかし勇者だった人間がホイホイと魔族にそんな態度を示していいものだろうか。などと緊張感があるのか無いのか分からないことを考えた。


 所作に戸惑う勇であったが、先代は片手をあげて制止した。


「娘の夫となる男よ」


 外見を裏切らない重々しい口調と、腹の底に響いてくるような低い声だった。


「人間の身とはいえ、今日より立場としては娘と同等となるのだ。跪くに及ばぬ」


 そう言われた勇は会釈をしてその場に佇む。


 単に間近で義理の息子となる男の顔を見たかっただけなのか、それ以上何も言わずに祭壇へ視線を戻していた。


 勇はこの世界へ連れて来られて以来、日本に居た頃の常識が通じない出来事ばかりに遭遇してきていたので多少なりとも思いがけぬ事態には耐性が出来ていた。


 単に感覚が麻痺したと言い換えても差し支えないかもしれないが。


 しかし、それでも魔族に囲まれ、目の前には先代とはいえ大魔王が鎮座しているこの状況は落ち着かない。


 いっそ発狂したら楽であろう。悲しいことに、鍛えられた理性が中々腰を上げてはくれない。


 不特定多数の視線に晒される事などが勇者していた頃に幾度もあったのだが、これほど居心地の悪いのは初めてである。


 そろそろ限界だ。もう逃げたい。と、勇が心底思い始めたときであった。


「魔界の統治者にして偉大なる大魔王の称号を帯びた唯一絶大の存在であらせられる女帝セリス・ヴィシャル・ファラ・ル・ド・ダクプリズム十三世陛下、ご入場!」


 式部官がマイクをもって会場中に声を響き渡らせる。


 勇が入ってきた所とは反対側の鋼鉄の扉が開かれた。


 開かれた扉から現れたのは、重装備に身を固めた鉄仮面の群れ。


 続いて現れたのは煌びやかな衣装を身に纏った様々な種族が入り混じった女官達。会場隅で控えていた音楽隊が、会場のざわめきに対抗するかのように楽器を鳴り響かす。


 赤いカーペットが敷かれ、左右に剣を掲げた騎士らが並ぶ。


 女官らは色とりどりの花を振りまきながら彼らの背後に立つ。その光景は、ギャラリーが異形の容姿をしていなければ、大昔の地球で貴族辺りがやってそうな式典を思わせた。


 そして勇は花嫁となるべき女と対面することとなる。


 最後に現れたのは、光という光を呑み込む闇のような漆黒のウェディングドレスを着た現在の大魔王。


 凛とした表情で会場に立つ姿は、誰にも侵せない気高さと不遜さがあった。


 彼女が姿を見せたとき、その華麗さに見惚れて会場は一瞬静まったが、すぐさま地を揺るがすような歓声が轟いた。


 魔物の騎士団が一糸乱れなく剣を抜き高々と掲げる。女官らが手に持つ花を再び振りまく。剣と花で彩りを添えた道を、大魔王は優雅な足取りで歩んでいく。


 親族や重臣、不特定多数の観客らの視線を受けながら夫となるべき男の元へやってくる。


 父親である先代の傍まで来たとき、魔王はしおらしげに頭を下げて先代の頬に軽い口づけをした。


 そんな光景を勇は他人事のように見ていた。冷めているわけではなく、あまりにも非現実すぎて実感が湧かないでいるのだ。


 婿の胸のうちなど露知らず、大魔王セリスは祭壇前にいる勇のところへやってきた。


 面と向かって顔をあわせるのは五、六日ぶり。しかも最後にあわせたのは最終決戦の時である。


 ほんの一週間前まで凄惨な殺し合いをしていたというのに、何故こいつは俺と結婚しようとしてるのか。


 今更な疑問が頭で蠢く。


 単なる戯れと嘲笑うには相手の行動は不可解過ぎた。


 俺を連れ去る代償に侵略を止めるとは正気の沙汰ではない。裏があるにしても、敗者である俺に利用価値があるのか怪しいものだ。


 あるにしても、こんな回りくどいことせずに洗脳すればいいだけの話。


 それなのに何故だ。


 などと考えてると、頬に温かさを感じた。目の前にいる銀髪銀目の女が勇の頬に手を触れさせている。


「久しぶりだな」


 決戦以来の、大魔王の第一声。よく透る音楽的ともいえる声が鼓膜を叩く。平凡な台詞というのに、心に触れてくるような強さがあった。


「心配していたが、流石は我が伴侶となるべき男。元気そうでなによりだ」


「……そいつはどうも」


 会ったら罵声の一つでも投げかけてやろうと思っていたが、いざ対面すると何と言っていいのか頭に浮かばず、結局ありきたりな答え方をしてしまった。


 勇は己のボキャブラリィの無さに嘆息してしまう。


 素っ気無い返事に気を悪くした風もなく、寧ろ嬉しそうに微笑みを浮かべる魔族の親玉。魔族魔物の類に似つかわしくない活気に光る銀色の瞳が、瞬きすら惜しむように勇を見続けている。


 暗さの無い蠱惑的な目に見つめられ、勇はやや狼狽した。


 こうして互いに見詰め合うのは戦いの中で幾度もあった。しかし、こうした流血のないものは初めてのこと。


 魔族に囲まれてる状況を思わず忘れてしまうぐらいに、新鮮さを感じた。新鮮さは固まっていた思考に風穴を開けた。


 目の前に居る女と結婚することになるのか。


 ようやく、本当にようやく、自分の立場を実感した気がした。選択権も逃走の手立ても無い身の上なのだ。


 否応なく俺は人生の重大な分岐点に直面している。


 理由や経過や状況はともあれ、厳粛な儀式が今から始まるのだ。勇は我知らず唾を飲み込んだ。


 父よ母よ妹よ。俺は十九歳で婿になります。


 相手は美少女ですが、人間じゃないです。ていうか職業大魔王という規格外な存在です。式に呼べなくてすみません。顔を出せずにすみません。今、愚息は大人の階段を登ります。


 魔界の結婚式の段取りなど分からない。テレビや雑誌の知識でしか知らないが、とにかくここは落ち着いて行動することが大事なのだ。


 落ち着け勇。冒険の中でアドリブが必要な場面には幾度も対面している筈だ。焦ったら負ける。ここは黙って相手の出方を窺うことだ。


 などと考えてる勇の頬を包んでいた手に力が篭り、前のめりに引っ張られる。


 引っ張られた先には彼より頭一つ小さい美少女が居る。


 何が起こるのかを悟り、勇は息を呑んだ。


 おい、なんだ。


 まだ誓いの言葉も指輪交換も済ませてないぞ。おい、ていうかコイツが入場してきてからまだ何もしてないんだぞ。


 おい、誰か何か言わないのかこの状況!? 


 おい、まだ心の準備出来てないぞ俺は!!


 段々近づいてくる秀麗な顔。


 鼻腔をくすぐる芳しい吐息。


 熱に潤む魔性の瞳。


「お、おい……ちょ、ま…………」


 そこから声にならなかった。


 唇が重なっている。


 空気すら漏らさないぐらいに深く重なり合う。


 舌が口腔を押し開いていき、口内を掻き回す。反射的に逃れようとしても、頬に添えられていた手は移動して首に回されていてガッチリ固められていた。


 歯を歯茎を舌を、舐め尽くされ蹂躙されていく。


 毒を飲ませてるのではないかと疑うぐらいに、暴力的な口づけだった。激しく執拗で、息苦しいのに、じんわりとした陶酔が思考を麻痺させていく。抵抗しようと振り上げようとしていた腕も、いつしか力なく垂れ下がってしまう。


 唇を重ねてるときも、大魔王は視線を逸らさない。勇を視線で犯すかのように、熱狂に浮かされた瞳が男を凝視している。


 息苦しさに胸が詰まる。酸素の行き渡らない脳が危険を警告する。想いの密度に窒息しそうだ。


 窒息しそうだ。


 ……マジで窒息しそうなんですけど!?


 もうどれぐらいキスしてるんだよ! ギネス狙ってるわけでもないのにいらないだろこんなに。


 もうヤバイ。これはヤバイ。このままだと死ぬ。死んでしまう。死ななくても鼓膜がどうにかなりそうで恐ろしい。


 ぼやけてくる思考の中、勇は焦りを隠せなかった。


 生き残る為、勇は無我夢中で行動を起こした。


 垂れ下がっていた腕に残りの力を込め、勇は漆黒のウェディングドレスを着た花嫁の脇腹に渾身のボディブローを喰らわせた。


 喉に固形物を詰まらせたような呻き声を上げ、大魔王は数メートル先まで吹っ飛ばされた。


 突然の非礼に会場は騒然したかに見えたが、酸欠寸前にまで追い詰められていた勇はそこまで考えがまわらず、自分の置かれた状況も忘れて叫んでいた。


「俺を殺す気か!? 人間と魔族じゃ肉体の出来が違うってことぐらい配慮にいれろよな馬鹿!!」


 仕方がないこととはいえ、いきなり殴られた挙句に罵声を受けた大魔王。激怒してると予想して身構えた勇であったが、彼女が示した反応は想像を絶するものだった。


「……いい」


「えっ?」


「イイ、気持ちいい……。流石は勇。儀式の場で妻を殴打して罵声まで投げつけるなんて。あぁ、流石は妻が見込んだ男だ! こんなにゾクゾクしたのは初めてだ!! 勇にならどんなに殴られてもいい、もっと、もっとこのハシタナイ妻に罰を与えてよいぞ!」


「お、おい」


 勇は鳩が豆鉄砲くらったような顔をして地に蹲っている花嫁を凝視した。


 そこに居るのは、戦っていた時に見たことなかった大魔王の姿があった。


 毅然とした態度も、覇王の表情も、冷酷なオーラもなかった。恍惚に身を震わせ、興奮に息を弾ませて顔を赤らめて、肢体をよじらせて自分のされた行為に悦っている。


 勇は頭痛を感じた。


 何だコレ? 


 これが魔界を支配し、異世界の半分を瞬く間に平らげた女帝? 冷酷非道の覇王? 誰もが畏怖する大魔王? 眼前には頭のネジが何本かトンだ美少女しか居ないんだが。


 こんなのに俺は今まで悪戦苦闘を重ねてきたというのか。悪夢と表現すれば悪夢に申し訳ない程度には微妙な気分だ。


 勇者は他者の反応を求めて周囲を見渡す。


 大魔王の豹変に誰も反応していなかった。


 父親である先代は軽く肩を竦めているだけ、重臣らも慣れているのか苦笑一つ浮かべずに勇達を見ている。観客席に居る魔族らも、先程とまったく変わらぬ様子で一連の事態を見ていた。


 眩暈を覚えて一歩よろめいた。スルーすべきでない事をスルーしてる魔族らに絶望に近い思いを抱いた。


 このとき思考が口と直結してたのか、自然と口は思いの丈を吐き出していた。


「少しは変に思わないのかーー!?」


 勇は自分の命の心配を投げ捨てて叫んでいた。勇者だった男の叫びに誰も反応しない。


「勇ー! 愛しているぞぉ!!」


「お前はとりあえず自重しとけ!そして結婚に憧れる不特定多数の生命体に詫びてろ!!」


 夫の胸に飛び込んでこようとした妻となる美少女に、勇は躊躇いなくアッパーカットを炸裂させていた。


 後に、セリスの突飛ともいえる行為は魔界において最近の流行スタイルなのだと知る。彼女から言わせると、直情的な行動によって愛を確かめ合うとか。


 知ったところで自身のファーストキス消失の事実が消え去るわけでもないので勇は大した慰めを感じなかった。


 これが、世界を救った勇者と恐怖の大魔王の結婚式だった。

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