そういえば.......

 その壊れかけの机だと思っていたものは近寄ってみてみると変哲もない少し汚れただけの一般的な教室にあるような机だった。


 ただ周りの机や椅子の存在感に圧倒され壊れかけに見えていただけだけ。


 .......目がおかしくなってきている気がする。


 にしてももっと場所が空いてる場所あるのにそっちじゃだめだったのだろうか。


 そう思いその少し開けた場所を見て考えていると


「君がそこになったのはその隣が皐月さんだからよ。皐月さんのお父さんから出来るだけ近くっていわれたからそこにするしか無かったの。もう少し時間あれば机とか全部動かしてそこに周りと特に違いのない机と椅子置けたんだけど転入生が、それも男の子が来るってこと聞いたの一昨日なのよ。3年生になれば教室変わるしその時には椅子も変わってると思うわ。三ヶ月だけ頑張ってね」


 3ヶ月だけなら学校になれていくうちにすぐ過ぎるだろうしいいかな。


「――月も耐え―――わないけどね」


「先生?何か言いました?」


「いえ?何も言ってないわよ?」


「ならいいんですけど.......」


 いや待ってよこの学校怖くなってきた.......聞こえちゃってるよこの先生。


 3ヶ月も耐えられないと思うってどういうことだよ!?


 やっぱり歓迎されてないんだろうなぁ。


 まぁそりゃそうか。女子校だった場所で、その上一番最後の女子だけの学年に男子が入るなんて歓迎する人の方が少ないか.......


「じゃあ、とりあえず授業で使うような実験室、講義室に体育館とか案内するから着いてきてね」


 姫野先生は俺の様子に気付くことなくサクサクと案内をしてくれた。


 そして学校をほぼ一周して職員室に戻ってくるとそこに居たのは


「せ、雪奈君。こんにちは。奇遇ですねこんなところで会うなんて」


 なんでお嬢様がここにいるんだよ?!


 ってか奇遇ってここに来るってこと知ってただろ絶対!!皐月家の車に乗せてきてもらったんだから。


 というか如月さんとか遅くない?!駐車場に止めてくる。職員室の前に行きます的なこと言ってたよね。


 今思い出したくらい忘れ去ってたよ!!


「な、夏奈さん。なぜ学校に来ているの?特に呼ばれてたりなんてしないはずだけど.......」


 気になっていたことを姫野先生が聞いてくれる。


「あら、姫野先生。おはようございます。いえもうそろそろこんにちわですかね」


 それを聞いて腕時計を見ると11時を回っていた。学校を回っているうちに思っていたおり時間が経っていたようだった。


「桜城君が今日、学校に行くと聞いて案内しようと思って来ましたの」


 .......さっき奇遇とか言った設定一瞬で崩れてるぞ。


 というか案内しに来たって。今終わったところ.......


「姫野先生は桜城君となにしていたんですか?」

「今、桜城君に学校の案内していて今終わったところよ」

「もう案内終わったんですか?!ずるいですずるいです!!私も2人で一緒に.......」


 そこまで言って俺がいることを思い出したのかこちらを見てくる。


 その首の動かし方はギギギギというような擬音が聞こえて来るような動かし方だった。


「雪奈君。案内終わってたみたいですね。では、私は用事も終わったのでもう帰りますね。では、また明日」


 そう言って走って帰って行く。その方向を見ると如月さんと運転手の河野さんが居た。やっぱりあの人たちに連れてきてもらってたのか。


 というか、二回目だけどもう誤魔化しても遅いですよお嬢様.......


 ―――――――――――


 応援、評価ありがとうございます!!


 3月20日

 日間ラブコメランキング14位、そして週間ラブコメランキング38位にまで上がらせて頂き嬉しい限りです!!




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