無防備なお嬢様
「では、こちらでお待ちください。お嬢様が起きてき次第、朝食もメイドのものが運んでまいると思います」
食堂の1席に案内され、そう言って如月さんは去っていった。
誰も居ない空間で五分ほど待っていると突然ドアが開く。
髪の毛があまり整っているとは言えない夏奈さんだった。
夏奈さんは俺の事を見て
「あれ?雪奈君がいる?目がおかしくなったのかな」
といって目をゴシゴシと擦っている。
「いえ、寝る前にも言いましたが今日から雪奈様と登校する前に朝食を後一緒することになったと伝えたはずですよ。夏奈お嬢様」
隣にいたメイドさんがそう言うと
「え、ほんとに雪奈君来ているんですか?!すみません。何もしていないところなんて見られたくない!!」
走ってどこかへ行ってしまった。
「雪奈様。お待ちいただいていたのにまだもう少し時間かかりそうです。申し訳ありません」
「いえ。こちらが昨日に突然決めたことですから。昨日も帰り遅かったでしょうから夏奈さんも目が覚めきってないでしょうし大丈夫ですよ」
「みたいですね。昨日も帰ってきたあとなにかはしゃいでおりましたし.......今日から一緒に登校されるんですよね。宜しくお願いします」
メイドさんが頭を下げてくる。
「学校には誰も信頼出来る人を付けることが出来ていなくて家の者みなが心配していたのです。当主様が認めた方が付くと聞いて安堵しております」
「夏奈さんって愛されてるんですね」
前にも思ったことだった。
初詣の事を謝ってきた時も仕事のことだから謝ってきたと言うよりも夏奈さんを救ってくれてありがとうという気持ちが大きかったように思えたから。
「夏奈お嬢様に付いている使用人は大半が夏奈お嬢様がいなければここには居なかったでしょうから。下手すれば生きていけていないかもしれない。そんな人もいます。如月などは生まれでお嬢様に付くことが決まっていたようですがお嬢様のことを1番想っている方です」
そこまでなのか.......いい子なんだなぁ。いや、それはもうこの数日で分かっていた事だけども。
「
メイドさんと話していると支度を終えた夏奈さんが戻ってきていた。
「いえ、夏奈お嬢様の魅力について話していただけですよ、ね?雪奈様」
「うん。そうだよ夏奈さん。夏奈さんはめっちゃ良い子だねって話してたの」
そう言うと夏奈さんはボフっと顔が赤くなる。
「良い子って.......言うだけですか?」
少し頭を下げて上目遣いに俺のことを見てくる。
え?俺は何をすれば.......?
視界の端でメイドさんが手のひらを下に向け横にフリフリしている。いや、どういうことだ?
少し経っても俺が何もしないかったので夏奈さんはため息を吐きながら俺の隣の席着く。
「朝霞。朝食の用意お願い」
そして少し不機嫌そうな声でメイドさんに朝食の用意をさせる。
「はぁ.......かしこまりました」
え?なんで。なんでメイドさんにもため息疲れなきゃいけないんや!
あ!また俺の方見てため息ついて行った!!
俺あそこで何するべきだったの.......?
―――――――――――――
何って.......分からないのか主人公。はぁ.......
この日は週間ランキングは11位を維持したままでした。
いいことではあるのですが少し悔しかったです.......
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