新たな波乱の予感
「夏奈さん。そろそろ許してくれませんか?」
「何をですか?許すも何も怒っていませんよ?」
朝食頃から機嫌が悪い。今だって目が笑っていなかったし。
「なんのことか分かりませんが自分で気付いてくれたら私嬉しいです」
自分で気付けってことね.......
良い子って話してたら言うだけですかって言われたことしか覚えていない。言う以外に何かあるのか?
うーん。良い子.......あ、メイドさんがやってた仕草って。なるほど。良い子良い子って撫でて欲しかったのか?
いや、でもさすがにないだろ。もう高校生だぞ。夏奈さん。今更
「撫でて欲しかったわけじゃないですよねぇ.......」
ボソッと声に出してしまう。
さすがに失礼か?!子供っぽいこと思ってたと勘違いされたら怒るもんな。
そう思い夏奈さんの方を見ると
「ん〜!」
頭を少し下げ俺の方へ向けてきていた。
え?
「頭撫でて欲しかったんですか.......?」
そう言うと夏奈さんは肩をシュンとさせ
「だめ.......ですか?」
と言ってくる。
ダメなわけないだろ!!!
手のひらを何回転かさせ夏奈さんの頭を撫でる。
「ふふっ」
嬉しそうに満足気な顔になる。
「雪奈君!早く学校へ行きましょう!」
俺の手を引っ張り走る。
待って!女の子に手を握られるなんて初めて///
そんな戯言を考えている間に学校へ着く。
はぁ.......はぁ.......
オタクにダッシュはキツいよ.......なんで夏奈さん息切れもしてないの.......?
「雪奈さん大丈夫ですか?速すぎましたか?」
女の子に体力で負けてその事心配されるとは.......一生の不覚!!
「大丈夫だよ.......じゃ、行こっか。教室」
2人で靴を履き替え教室へ向かう。
俺の靴箱も端の方に用意されていた。
そして、教室へ着き、中へ入ろうとドアを開けると中から大量の視線を浴びる。教室の横を通っていた時は色々な人の声が聞こえていたのに今はシーンと静かだ。
すると、その中の一人が立ち上がりこちらへと近付いてくる。
「皐月さん。この方が言っていた方ですか?」
夏奈さんにそう話しかけてきた。
「そうです。こちらが桜城雪奈君。今日から転入してこられた方ですよ」
わざとだろうがクラス全員に聞こえるような大きな声で夏奈さんが言う。
何人が値踏みする様な目で俺の事を上から下へと見る。
ブルルッ
なんか大量の女子からの視線を感じるの初めてだから怖い。その上に噂通り可愛い子ばっかりで.......
痛っ!!
「雪奈君.......何、他の方を見てニヤニヤしてるんですか?」
突然横から脇腹を摘まれる。
ごめんなさいごめんなさい!!ってか俺ニヤニヤしちゃってたか.......
「そんな人が夏奈の王子様なの〜?!」
教室の奥の方から声が聞こえてくる。
おうじさま?
「ちょっ!
その声の聞こえた方向に言って女の子の口を塞ぐ。
ん〜?俺の情報既に夏奈さんが言ってるのかなぁ.......
奥に行った夏奈さんのことを見ていると最初に近付いてきた女の子が話しかけてくる。
「私は宇野
そう言って手を差し出してくる。握手かな。そう思い手を出して
「桜城雪奈です。よろしくお願いします」
握手をしようとすると突然引き寄せられる。
「要らないことしないでよ?ここは男が来るような場所じゃないんだから」
.......ひぇっ
―――――――――
2話投稿出来るよう頑張ります
この度、ついに週間ランキング9位に入り表紙入りを果たすことが出来ました!
皆さんの応援のおかげです!ありがとうございます!
これからも維持出来るよう頑張って行きます!
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