暇人の集い
「この後どうしようかなぁ」
空き教室に1人、静かな空間だった。
教室戻っても何もすることないしなぁ。
色んな部活とか見に行きたいけどどこで何やってるかなんて知らないし。
そう言えば屋上行ったらゆっくりできるかな。それとも園芸部が?
まぁとりあえず見に行ってみようかな。
俺はそう決めて昼に行った屋上へと向かう。
でもやっぱり放課後の様子は結構違和感あるなぁ……
部活をやってる人達の掛け声とかは聞こえるけど廊下で走ったりはしゃいだりする声なんてほとんど聞こえない。
静かで良い学校だなぁ。
そんなことを考えていると階段の近くに知っている顔が居る。知っている顔と言っても
「清水先輩?」
昼初めて会った人なんだけども。何してるんだろう。
「あぁ、桜城君。今から屋上に遊びに行こうかなって思ってね。君こそ何してるの?」
「6時前まで時間潰さないと行けないんですけどすることなくて暇で……屋上に行ったら先輩いたりしないかなぁなんて思って」
「そうなんだ。暇で私と喋りたかったの?」
上目遣いで覗き込んでくる。
な、何だこの人、これ無自覚でやってるのか?
「ま、まぁ、暇だったし喋れる人なんてこの学校にほとんど居ませんから」
「ふーん。暇だったから私を暇潰しにねぇ」
なんでそんなふん!なんて口に出してるんですかねぇ。
昼も思ったけどこの人からかうの好きだな?
「ま、私も暇だからちょうど良かったよ。そんなところで立ち話もなんだし屋上で話そ?」
「先輩も暇だったんですね。上がりましょっか」
屋上へ上がっていく先輩を追いかけ俺も上がる。
「暇だったよ〜。部活に出に来たのに先輩はもう引退したんですからゆっくりして下さい!なんて言われちゃったし」
「部活?園芸部じゃないんですか?」
昼休みに園芸部しか入っちゃダメって先輩が言ったんじゃ……
「園芸部でもあるんだけどね。こっちは息抜きとしてというか。本気でやってたのはバスケ部かな」
そう言って校庭の端にあるバスケットコートを目を細めて見ていた。
「バスケ部ってあのコートで活動してるんですか?」
誰も居ないような……
「んーん。あれは自主練用かな。基本的にあの体育館でやってるよ。バトミントン部と半分に分けてね」
懐かしそうな目で先輩は言った。
「引退っていつ頃するんですか?」
「基本的に文化祭までかな。9月にあるの。そこで世代交代。まぁ受験生なんかはもっと早くに出来なくなることが多いんだけどね」
もう引退して4ヶ月くらいなのにまだ行こうとしてるんだ……
「別に引退してからずっと通ってるわけじゃないよ?毎年、冬の市の大会がそろそろあるの。だから応援にって思ったんだけどね」
俺の思考を読み取ったみたいだ。こわっ。
心読めるからかい好きとか手玉に取られる気しかしない。
「そういえば園芸部は今日活動してないんですか?」
今思ったけど屋上に上がってきた時から先輩以外には誰も居なかった。
「園芸部がずっと花壇の世話をしてる訳じゃないのよ?今日は教室で次に植える野菜の話し合いかなぁ。多分だけど。でね、雑草抜いてあげようかと思ってたんだけど手伝ってくれる?」
「分かりました。暇ですしいくらでもこき使ってください」
俺は先輩の方へ行き指示を受けに行った。
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