お嬢様は俺とは正反対
「知らない天井だ……」
まさかこのネタを本当に言うことになるとは……
ってか、マジでここどこだ?
ガチャ
ドアの開く音がして、そちらを見るとメイド服を着た美少女が居た。
「あ!!起きられましたか?!お嬢様に伝えてこなければ!!」
中を見て俺が起き上がっていることがわかったメイドさんは直ぐにどこかへ行く。
色々と突っ込みたかったし聞きたいこともあったのに一瞬で去っていってしまった。
静かになったところで状況を整理してみる。
と言っても、覚えてるのはドラッグストアの行き道にあの助けた巫女さんを見かけて話してる途中に倒れたことくらいしか覚えてない……
枕元に俺のスマホが置いてあったので開いてみる。
そのスマホには1月3日の正午と表示されていた。
まじかよ俺、一日くらい寝てたのか?
コンコン
そんなことを考えているとドアからノック音が聞こえてくる。
「失礼します」
そう言って中に入ってきたのは、初詣の時のふたりだった。
「この度は本当にすみませんでした」
そう言ってボディーガード方が頭を下げてくる。
「体調が悪いにも関わらず長々とあの場に縫い付けてしまい、本当に申し訳ありませんでした」
「そんなのいいですって。俺も話止めませんでしたし大丈夫だと思ってましたから」
「いえ、まず最初に私があなたのことに気が付いていれば菊池があんな粗相をすることなんて無かったはずです。罰をあたえはしましたがまだ新人なのです。どうかお許し頂けませんか?」
あ、これ、絶対受け入れないと長々と謝られるやつだ。分かるぞ!ラノベで読んだ!たまにいる良い奴だけどウザイ奴だ!……それは失礼だなすみません。
「分かりました。特に気にしていませんし謝罪を受け入れます」
そう言うとやっとボディーガードさんが顔を上げた。
「紹介遅れました。私は
硬っ苦しいな……まぁ、その護衛するべきお嬢様がそばに居るのもあるか。
「……です」
ん?なんか聞こえた気がする。
どこかから監視してる人がいてなんか言ってきたのかと適当なことを考えていたが、それは何かすぐに分かった。
「皐月夏奈です。あの時はありがとうございました」
茅野さんの後ろから3割ほど顔を覗かせお嬢様が自己紹介をしていた。
「なつなさんかぁ。名前はなんて書くの?」
「季節の夏に奈良の奈です」
夏奈さんかぁ。俺とは季節が正反対だなぁなんて考えていた。すると
「雪奈さんとは季節が正反対ですね」
と言ってくる。
なんで俺の名前知ってるんだ?そう聞こうとしたがその続きの言葉ですぐに判明した。
「初詣の際の上着をお返しします。中に学生証や保険証の入ったカードケースが入っていたのですぐにお返しせねばとあなたのことを調べている最中だったのです」
そう言って茅野さんが俺の上着を手渡してくる。
うえっ、まじかよ。危ねぇ。
「いえ、わざわざありがとうございます」
俺に手渡したあと茅野さんはすぐに夏奈さんの前の戻っていく。
「そして、あなたの両親にはお話しておきましたので明日まではここにいて大丈夫だと思います。ここは皐月家の治療室です。後でお会いして頂きたい方が居ますので体調が戻られましたらこのベルを鳴らしてください」
そう言って枕元にベルを置いて2人は去っていった。
……俺、ほとんど喋ること無かったな。
ってか、治療室ってどんな御屋敷……
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