水着でお風呂???
え?ちょっと待って待って待って。
風呂を一緒に??
一緒に?!!!??
雪奈は困惑している!!
「聞いていますか?」
すると頭を抱えていた俺を、夏奈さんが下から覗き込んでくる。
この可愛いお嬢様と一緒にお風呂……
自分の頭がボフッと爆発した気がする。
「大丈夫ですか顔真っ赤ですよ?!」
心配してくれているのか俺の顔をぺたぺたしてきた。
あ、ひんやりしてて気持ちいい。
「だ、大丈夫だから」
それ以上やられていると護衛さんたちの前なのに色々と吹っ飛びそうでその手を掴んで止めさせる。
「それならいいのですが……体調が悪いのであればお風呂に入らない方がいいでしょうし、どうしますか?」
「風呂には入るよ。温泉楽しみにしてたしね」
「では、決まりですね!!如月、あれを渡して」
「はっ」
如月さんが持っていた荷物の中から海パンみたいなものが出てきた。
「これ、男性用の水着です!!一緒に風呂に入りましょう!!」
……風呂には入るよってそういうつもりで言ったんじゃないって!!
でも、今更断れるような雰囲気ではなかった。
だってめっちゃ嬉しそうにニコニコしてるんだもん。
あのお昼に震えてた子とは同一人物だとは思えないくらいに。
そんなことを考えていると如月さんが傍に寄ってきて小さな声で話しかけてくる。
「当主様からの伝言です『風呂に一緒に入ることはまだ許そう。だが、夏奈に何かあれば責任とってもらおう』だ、そうです」
責任ってなんだよ……
ってか、温泉一緒に入ること当主さんは承諾したのが驚きだよ。
誰の案だこれ?!
「ちなみにこれはお嬢様の案です。水着でプールには一緒に入れるのに温泉はダメなの?と清らかな目で見られました」
いや、その考えなら大丈夫って考えちゃってもおかしくはないかもだけどさ!!
なんであなた達は止めないわけ?!
「私共はあなたほどの年なら子供みたいなものですので気にはしませんが」
違うそうじゃない。ってか、あなた達も俺とは入るのかよ。
……まさか男俺一人?!
殺す気か?!色んな意味で!!
「いや、ちょっと辞めてもいいで」
「今更辞めたいって言っても無理ですよ」
え?あのだめなの?
「あのお嬢様に落胆させるんですか?」
そう言って如月さんの指さす方向を見てみると
ぴょんぴょんしているようにすら見えるお嬢様が居た。
はぁ……さすがに俺にそんな勇気ないよ。
「特に何も無く終わると思いますのでプールや海とおなじようなものだと思って我慢してください」
覚悟決められないけど何とか我慢するよ。
いやほんと過去の俺とかから見たならいいなぁ。楽園じゃんとか思うかもしれねぇけどそんなこと絶対ねぇよ?
心が死にそうだよ……
何か間違いがあった瞬間護衛さん達にブチってやられそうだ。何も間違いなんて起こす気ないけどね!!
お願いですから何も起きず終わりますように。
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