待って張本人の俺置いて話が進みすぎぃ!!
ゴホンッ
父さんが周りを見て冷たい目で見られていることに気付くがもう遅い。家族の中での立場は今も急降下中だ。特に母さんの目はどんどん冷ややかになっていく。
「まぁ、母さんも別に悪いとは思わないわ。雪奈、小学校の頃に苦労してあの学校入ったのに楽しそうにしたことなんてほとんどなかったから。それにあの斎藤くん?あの子とも離れれるじゃない。あなたが我慢して黙ってるからどうしようか悩んでたけどこれでもういいじゃない」
いじめられてることなんて言ってなかったはずなのに.......
「私たちが気付いてないとでも?いじめられてることなんてちゃんと愛してる親なら気付くものよ?誰かなんて分からなくともね。こんな父親でも気づいてたのよ?」
「母さん。こんなって」
「あんたは黙ってなさい?」
さっきのハーレム発言のせいか父さんへの当たりが強い。今も口は笑っているが目が笑っていない。
「雪奈ぁ。お前からも言ってくれよ。ハーレムを夢見るのは男ならしょうがないってさぁ」
うんうn.......
「ハハハ、まさか男みんなそうだと思っタノ?」
危ね。心が読まれたのか母さんに睨まれかけた。隣からも冷ややかな目線を感じる。
「「はぁ.......男ってのは.......」」
如月さんと母さんの声が重なる。
ごめんなさい.......
「まぁいいわ。良くないけど。あなたは後できっちり話を聞かせてもらいますからね」
父さん頑張れ。俺はそう思うことしか出来なかった。
「で、雪奈。あんたはどうしたいの?」
「思ったんだけど、今更行きたくないって言ったら行かなくてもいいの?」
「んーん。残念だけど雪奈には拒否権はないわ。だってもう転学届と転入届出しちゃったもん」
もんじゃねえよ。くそババァあああああ。
なんてことは言えず
「だよね.......分かった。覚悟決めるよ」
「それでね。もう明後日から学校だから明日来て欲しいんだって。色々説明しておくことがあるかららしいわよ」
.......そこまで決まってるならわざわざ俺に聞いた理由はなんなんだよ??!!
「一応聞いておかないとって思っただけよ」
「声に出してないのに俺の心と勝手に会話しないでくれる??」
「あんたがわかり易すぎるのよ。そこら辺のポーカーフェイスも学んできなさい」
「はい.......」
「じゃ、母さんはこのアホと話があるから部屋に戻るわね。先輩の娘さんの護衛?かなんかの話きちんと整理しときなさいね〜」
「母さん、首根っこ掴むのはやめて息が.......」
「ほら行くわよ。ったくもうこの馬鹿は.......」
母さんは容赦なく首根っこを掴み2階の自分の部屋へと父さんを連れていった。
どうせ、自分の部屋でイチャイチャするんだろうなぁ.......お客さん居るんだし声とか音だけは漏れないようにしてくれよ.......?
まぁ、それは祈るしかないとして。
「如月さん。護衛職について教えて貰ってもいいですか?」
「それは私たちのことについてですか?それともこれから雪奈様が働く内容についてですか?」
「俺が働く内容かな」
「分かりました。では、この冊子をご覧下さい」
如月さんが傍のカバンから分厚い冊子を取り出してくる。
お嬢様説明書?
え..............????
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